Parker Flyのお話。
今回はParker Fly Deluxeのお話です。
Parker Flyは1993年に誕生したギターで、
ケン・パーカー氏によりデザインされました。
かなり斬新なデザインや構造でありながら、
ストラトのような弾き心地を目指して製作したそうです。
かなり薄く軽量に仕上げるために採用したのが、
「軽い木材をカーボンで補強する」という独自の構造。
参考にしたのは柔らかい木を芯にし、その周りを硬い木で補強するという
リュートなどを製作するときの用いる工法だったそうです。
Fly Deluxeではボディにポプラ、ネックにバスウッドを芯として使用し、
その周りにカーボンファイバーグラスを接着し補強がなされています。
光が当たっている部分をよく見るとカーボンの織り目が透けて見えますね。
薄いボディと3Dな造形が可能なのはこの構造のおかげです。
指板にもボディ補強に使用するのと同じカーボンファイバーグラスが使用されています。
カーボンがかなり薄く、切り込みを入れられないため、フレットは打ち込まずに接着されているそうです。
また耐久性を考慮してステンレスフレットが採用されています。
ヘッドの幅はなんと約30mmです。
ナット幅は43mmなので単純に1cm以上ヘッドストックの方が細くなっています。
ブリッジもかなり独特な形状をしていますね。
もちろん特許取得済みの自社製で、ピエゾピックアップが内蔵されています。
ピエゾ内蔵なのはParkerの社長がFishmanピックアップの
ラリー・フィッシュマン氏なのも関係しているのでしょうか。
マグネティックピックアップはDimarzio製のオリジナルモデルです。
コントロールは写真手前側からボリューム、トーン、ピエゾボリュームで、
スイッチはピックアップセレクターとマグネット/ピエゾ切り替えスイッチです。
アウトプットはステレオジャックを接続することで、
エレキとピエゾの信号を別個に出力することも可能になっています。
見た目やスペックがかなり尖っているため「どんな音がするんだろう…」
と思われがちかもしれませんが、意外と素直で弾きやすい楽器ですよ。
お探しだった方、初めて見てビビッと来た方、是非店頭にてご覧になってください。