Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その5
前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-ポール・リード・スミスについて-その4/
さて、ピーター・フランプトンのために製作したギターの販売価格はなんと500ドル。
非常に安価となりましたが、ポールとしては宣伝効果を狙っていたため問題視しませんでした。
ちょうどピーターフランプトンのためのギターが組みあがった頃に、ポールは”Return To Forever”と”Santana”の2組のライブが行われる会場へ向かいました。
ローディーを通じて、Return To ForeverのギタリストであるAl Di Meola(アル・ディ・メオラ)へギターを見てもらうことになり、大層気に入ったアル・ディ・メオラは、すぐに12弦ギターをオーダーしました。
その12弦ギターは、ピーター・フランプトンのための1本同様に、ダブルカット/アーチトップ/バードインレイが採用されており、つぶしのブラックフィニッシュでピックアップにはHi-A(現バルトリーニ)、ブリッジには12弦用にカスタマイズしたバダスが搭載されていました。
アッセンブリーにはなんとMXR Phase 90の基盤がそのまま組み込まれており、ノブによりSPEEDのコントロールが可能になっていました。
このギターは77年の”Elegant Gypsy”というアルバムの中の”Elegant Gypsy Suite”という曲で使用されています。
同日、サンタナも同様にギターの試奏をしたようですが(なんとポールとサンタナはバックステージで二人きりでセッションをしたそう)、別のメーカーとのエンドースを控えていたこともあり、サンタナはこの時点では購入までには至りませんでした。
1977年の時点までに初製作のギターから数えて、計17本のみ製作されたギターやベースたちは
Ted Mugent(テッド・ニュージェント)
Derek St. Holmes(デレック・セント・ホルムス)
Peter Flampton(ピーター・フランプトン)
Al Di Meola(アル・ディ・メオラ)
Stanley Sheldon (スタンリー・シェルドン/ピーター・フランプトンバンドのベーシスト)
Gary Tallent (ゲイリー・タレント、Bruce Springsteenのベーシスト)
など、そうそうたるプレイヤーたちの手に渡っていきましたが、金銭面ではまだまだ苦しい期間が続いていました。
~続く~