Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その17
前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-ポール・リード・スミスについて-その16/
1984年、プロトタイプの”Custom”と”Standard”の2本を携えて、アメリカ東海岸のギターディーラーへ売り込むためのツアーに出たポール。
このツアーでアメリカ大手楽器チェーン店である”Sam Ash”から最初のオーダーとして30本($20,950)の注文もらうことになりました。
そのほかにも10カ所の店からのオーダーの獲得に成功。
合わせて、このツアーのみでなんと$54,835分ものオーダーを得ることになりました。
そのツアーの後も1年間程度、同じように楽器店を回り営業をかけることで、最終的に$296,925分ものオーダーを受けることになります。
このオーダーを獲得したという事実が出来たことで、ポールは妻であるバーバラやスタッフとともに本格的に会社設立を目指すことになりました。
それらの営業ツアーや会社設立のための活動に並行して、1985年2月に開催されるNAMMショー出展への計画も同時に進められます。
出展のために、プロトタイプの2本ではもちろん足らないので、新たに6本のプロトタイプが製作されます。
当時のNAMMショーの写真が残っており、約100スクエアフィート(約6畳)ほどの小さなスペースのブースには8本のギターが確認出来ます。
プロトタイプの”Custom”と”Standard”の2本に加えて、ブルーやレッドのCustomなどが展示されています。
またPRS社がスタートした1985年のカタログの表紙にもなったギター”METAL”も見られます。
このギターは、米国で有名なペインターであるバド・デイビス(Bud Davis)によりデザインされたピンストライプのような柄のボディが印象的なモデル。
余談ですが、残念ながらこのギターの売上はイマイチだったようで、1985~86年にかけて極々少数製作され生産完了となりました。
~続く~