Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その52 (生産プロセス19)
前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-51/
電装系の設置が完了したギターは、次にセットアップへ。
ここでようやくナットを装着。
その他のパーツ同様にナットが嵌められる部分から塗料などを徹底気に除去し、ナットが直接木材に触れるように仕上げます。
ナットの高さはギターに合わせて慎重に整えられ、接着剤で接着。
その後、硬化促進剤が使用されます。
そして弦を張ります。(当然弦は全てPRSオリジナルのものを使っています)
弦を張った後は、フロントピックアップのねじ止めへ。(この時点でリアはネジ止め完了しています)
定規でしっかりと位置を決めてから(ザグリがあるのでそこまでずれることもないと思いますが)、下穴を空けてネジ止めします。
ここから弦高、ピックアップの高さ、ネックの調整等の諸々のセットアップ。
ちなみにPRSでは弦高を測るデジタルの器具が使用されています。
全てが完了した後は、バードタグへの記入です。(ようやく!)
ここでFinal Quolity Inspection部門(最終検品)へと送られ、本当の最終チェックをします。
想像通りのプロセスで、外観や動作のチェックが隈なく行われます。
問題があった場合は、電装系の修理やバフがけが再度行われます。
ちなみにバフがけの際に邪魔になるため、ストラップピンは最終検品後に取り付けられています。
こうして全ての作業が終わり、ギターは同梱されるアクセサリーとともにケースの中に入れられ、出荷を迎えます。
毎週金曜日の午前には、倉庫から抜き打ちで何本かのギターを選び、会議室に運び込み、マネージャーたちの手によりさらなら検品が行われます。
ここでは基本的にほとんど問題等は見つからないそうですが、生産プロセスの改善や新たなギターの開発案が話し合われる場にもなっているそうです。
PRSのクオリティの高さや生産性の高さなど、全ての事柄へのポール氏の情熱が感じられる素晴らしい生産プロセスでしたね。
前半部分は機械によるものが多かったですが、後半の研磨からはほぼ全てスタッフの手によるものにも関わらず、これだけのハイクオリティと楽器としての”ムラ”の無さを維持しているのは非常に驚きです。
これからもPRSは益々の発展を迎えることでしょう。
長きに渡りお送りさせていただきましたPRSのシリーズですが、これにて最終話となります。
ご愛読ありがとうございました。