Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その39 (生産プロセス6~ネック~)
前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-38/
ネックのベーシックな形まで成形が完成しました。
この形に成った時点から、さらに2週間~2週間半程度乾燥させるために時間をおきます。
反りやねじれなどの木材などの様々な変化が起こるため、工程ごとに必ず時間を置いて、それぞれの木材のクセをしっかりと調整&安定させることが非常に重要だとPRSでは考えているそうです。
PRSのネックに不具合が少ないのもここに起因しているのではないでしょうか。
特にコアモデル(上位モデル)の場合は、元々の一つの大きな木材からかなりの量が切り出されるためにこの時間が非常に重要だそうです。
下記写真は、コアモデルにおける約一ヶ月程度かかるとされるネック製作の6段階のプロセスを表したものです。
十分に乾燥させられたネック材は、次にトラスロッドを入れるための溝がCNCルーターにより掘られます。(写真内左から2番目のネック)
そこにダブルアクショントラスロッドを挿入。
そこに蓋をするような形に造られた細長い”トラスロッドスロットインサート”をはめ込んで接着します。
それからヘッドの両脇に”Ear”(耳)と呼ばれるヘッドの横に突き出る部分を作るための木材を接着します。(写真内左から3番目のネック)
クランプなどで数時間ほどかけて接着が完了したあとは、おなじみのCNCルーターでの成形。
指板面から突き出ている”トラスロッドスロットインサート”を削って平にし、さらにヘッドシェイプの成形、指板を合わせるための目印となる部分の穴あけ、ペグの穴あけを同時に一気に自動に行います。(写真内左から4番目のネック)
そうして出来たネックに指板が接着され、ここからさらに長い時間をかけてクランプで圧着されます。(写真内左から5番目のネック)
接着が完了したネックは、そこからさらにネック全体のカービングやヘッドの細かい成形のために再度CNCルーターへと送られ、機械によるネック成形は完了となります。(写真内左から6番目のネック)
ここからは手作業での最終調整に入ります。
~続く~