Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その51 (生産プロセス18)

前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-50/

ピックアップやスイッチなどのパーツ類が集められるキットルーム。

ここで、PRSの製品データの暗号のようなアルファベットや数字の羅列である”MODCAT”とプリントアウトした情報を参照しながら、各ギターのためのパーツの全てを一つの青い箱に入れていきます。
(例 : CUM4FTHSI4T_BW_H9-9V = Custom24 10Top Hybrid 59/09 )

ちなみに”MODCAT”はリアピックアップ・キャビティ、イーグルタグ、ケースのシールにバーコードと一緒に記載されています。

非公式ではありますが、このMODCATを解析しているサイトもあるので、気になる方チェックして見てください。

これらのハードウェアパーツ一式はスタッフの手で集められるため、なんだかヒューマンエラーの発生しそうな感じがしますが、おそらく多数のスタッフの目を通ることでスペック間違いなどは防げているのでしょうか。

こうして一つの箱に収められたパーツは組み合わせるギターのところへと運ばれます。

まずはペグ穴のブッシュの装着。
リーマーを使って、ブッシュを差し込むためにヘッドの穴の広げます。

フィニッシュを塗布する前に最初からやっておけばいいとも思える作業ですが、元々の穴をあえて小さく作り、後から穴を拡張することにも理由があり、

“ギターに空けられているパーツ類と接する全ての穴は、フィニッシュを除去した状態であるべきである。フィニッシュの干渉が無い生の木と直接接触することで、ギターがより振動しやすくなる”
と、ポール氏は考えているそうです。

次にブリッジ装着のための穴の拡張。
先ほどのペグ穴と同様の考えの元、リーマーで拡張した後には、細長い針金のようなもので、拡張した穴の中にフィニッシュが残らないように綺麗に掻き出しています。

ポットの穴やスイッチの穴、穴という穴に同様の作業を行います。

続いて、ストラップピン→トレモロスプリングハンガーの順に装着。

完了後は、同じ部屋の別のセクションとなるプリアッセンブリー送られます。

ここではまずペグをインストールし、次にブリッジの装着。

ブリッジの穴にはネジが途中でつっかえないように潤滑剤(ワックスのようなもの)が塗られてから、ネジ止めされます。

それからは、ピックアップ、ポット、ジャック等の電装系の半田付けが行われます。

電装系が完了した後は、ピックアップを金属製の道具(ドライバー)などでコンコンと叩いてチェックする”Tap Test”を行ない動作を確認します。(これは定番のチェック方法ですね)

~続く~

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