Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その20
前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-ポール・リード・スミスについて-その19/
ナチュラルバインディング、ネックスケール、5wayロータリーシステムなどのユニークなスペックもそうでしたが、高く評価されたのはサウンド&機能性という演奏において最も重視される部分でした。
特にオリジナルピックアップやトレモロブリッジは多くのディーラーやプレーヤーから非常に好評だったそうです。
“Custom”の発表に伴い開発されたピックアップが”Standard Treble&Bass”。
1985年から1991年までPRSギターに搭載されることになったこのピックアップ。
発売から30年後の2015年には、このピックアップのセットは”Guitar Player Magazine”で「ピックアップ設計における33大イノベーション」に選ばれました。
このピックアップ製作に当たって、ポールが目標のサウンドとしたのは,
~King KrimsonのギターリストのAdrian Belewが1982年の”Beat”ツアー時に出していたギターの音~
だそうで、この時に聴いたエイドリアンのサウンド(シングルコイル)がポールの中で特に印象に残っているようで、その音をハムバッカーで再現したいと思い、その後のピックアップの研究にも大きな影響を与えたそうです。
その時にエイドリアンが使用していたのは、Ibanez Blazer(ストラトスタイル)で、当時エイドリアンからの依頼でポール本人がギターの改造やセッティングを行いました。
エイドリアンからの指示は下記で、本人の希望自体が非常に明確なものだったそうです。
-ポールが製作したトレモロユニットとペグの搭載
-エイドリアン自身の所有していたピックアップとAlembic Stratoblaster(ブースタースイッチ)の搭載
ちなみに当時のライブを確認すると、そのIbanez Blazerはブラックフィニッシュ&メイプルのオーソドックスなストラトタイプで、スライドを使用したボリューム奏法、カッティング、クリーンサウンドのソロなど多岐に渡った演奏方法で使用されています。
~続く~