Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その26
前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-ポール・リード・スミスについて-その25/
リック・ターナーのレビューや1000本目のギターの完成から少しだけ時を遡り、1980年代の発足当時の初期モデルたちを詳しく紹介します。
2つの代表機種は年代を経て、呼称を下記のように変えていきました。
- Paul Reed Smith Guitar → PRS Guitar → Standard
- Paul Reed Smith Guitar Custom→ PRS Custom → Custom
NAMMショー前の当初はシンプルに上記2種類のギターの販売を予定していたPRS。
ポールは価格についてこのように語っていました。
“Standard = 2ハムのレスポールジュニア
Custom = ダブルカッタウェイのレスポール
この二つは単純に価格の違うものを用意したかっただけだった。
Standardモデルはワーキングミュージシャンたちのために、Customはそれ以外のリッチな人々のためというイメージ。
バードインレイとムーンインレイも同じことで価格差を作るためのものだった”
のちの話ですが、ポールの予想に反して、(本人は予想通りと言うかもしれませんが)、
カーリーメイプルトップのCustomが圧倒的に売上を伸ばしていきました。
さて、当初2種類のみのギターを用意していたPRSでしたが、
初のNAMMショーへの出展を前にして、PRSに最初に大量のオーダーをしたアメリカ大手楽器チェーン店である”Sam Ash”からある提案を持ちかけられてました。
当時人気の高かった”Jackson”などのブランドにあやかって、
“グラフィックデザイン(絵柄)がボディに描かれたギター”がPRSには必要ではないか?という提案でした。
ポール本人は製作に関して”本当に必要か?”という疑問を抱きながらも、
“Heavy Metal Version of the PRS”
という謳い文句が付けられ、ピンストライプ柄の入った”METAL”モデルを作成します。
(最初期に大量オーダーをもらったチェーン店からの提案ということもあり断りづらかったのかもしれません)
ややPRSらしくないルックスのギターが登場したのはこういった事情からでした。
残念ながら”METAL”モデルは、あまり売上が芳しくなかったようで、わずか1年程度で生産完了となります。
~続く~