PRSの廉価ラインナップ「SE」について
こんにちは。
今回はタイトルにもある通りPRSの廉価ラインナップ「SE」について取り上げていきたいと思います。
2001年に発表された「SE」シリーズですが、大まかに2つの時期に区分することができます。1つが2001~2019年までの韓国 World Musical Instrents製の時期。もう1つが2019年に新たに開設されたインドネシアのSEライン専用ファクトリー製の時期です。インドネシアのファクトリーには本社のスタッフが定期的に視察や指導に訪れ、相当力を入れて制作されているようです。
「SE」といえば、PRS公式よりTwitterなどのSNSで先行告知されていましたが、なんと2022年1月11日に、John Mayer氏のシグネチャーモデル「Silver Sky」が「SE」よりリリースされたようです。
John Mayer氏だけではなく、国内外で様々なアーティストやギタリストが使用し、非常に人気の高いSilver Skyモデルですが、「SE Silversky」はCoreラインのものからの木材やパーツの仕様の変更はあるものの、それらはもっと詳しい方々にお任せするとして…。
何よりも僕が注目したいのはカラーのラインナップです。
(画像はPRS公式Twitter @prsguitars より引用 / 引用元URLはこちら)
現状で公開されているカラーラインナップとしては「Stone Blue」「Ever Green」「Moon White」「Dragon Fruit」の4色です。Moon Whiteはトラディショナルなカラーですが、それ以外の3色は非常にポップなカラーで、特に個人的に気になったのはDragon Fruitです。ネーミングそのまま、ドラゴンフルーツの果肉のカラーです。こういった廉価ラインだからこその遊び心はたまりませんね。
さて、SE Silverskyのお話はこのくらいにして、非常に魅力のあるPRS SEの他のモデルを取り上げていきます。
PRS 2009 SE Custom 24 (Whale Blue)
まずはPRSの王道モデル「Custom 24」のSE版です。インレイが”Moon”タイプでフラットトップの時期のものです。
近年のSE Customはトップのエッジに緩やかなカーブが施されているので「PRSの廉価版」という印象が見た目からもよく感じられます。しかしこの時期のものはカーブが無いので遠目から一見した時にはPRSとは見抜きにくく、弾き心地もスーパーストラトのそれに近いように感じます。
形状にはシンプルな設計ゆえの良さが表れているように思います。Les Paul Standardに対してのJuniorやSpecialのようなイズムを個人的には感じました。
PRS 2012 SE Santana (Whale Blue)
次はCoreラインでも歴史のある「Santana」モデルです。意図せずしてWhale Blue/ゼブラハムバッカーの非常に似通ったルックスの楽器が続いてしまいました…。
実はこの「SE」シリーズとこのモデルに名を冠する Carlos Santana は密接な関係にあり、2001年にSEラインとして発表された最初のモデルたちの中にこのSantanaモデルも名を連ねていました。また、CoreラインとSEラインでシェイプを変えることなくリリースされた最初のモデルもこのモデルでした。
PRS 2010 SE Orianthi (Sparkle Red)
PRS 2012 SE Tim Mahoney (Baby Blue)
PRS 2016 SE Zach Myers Signature (Trampas Green)
また先ほど取り上げたSantanaモデルの他にも、SEからは様々なシグネチャーモデルがリリースされています。
他のメーカーのシグネチャーモデルでよくありがちな、既存のものに限定カラーや特別な付属品や細かな仕様変更、といった具合ではなく、奇抜なカラーに結構ヤンチャした仕様、といったものが多いのがPRSのシグネチャーモデルの個人的に好きな所で、そのイズムのままSEでもやってしまう所に本当に驚かされています。
ちなみに「SE」という名前の意味は、そのまま「Student Edition」の略称です。スチューデントモデルに非常に弱く、このブログ内でも様々なメーカーの廉価モデルを幾度と無く推してきた僕がこれを取り上げないワケがなかったんですね。
SEから「Paul’s Guitar」が発表された時は仰天しましたが、今回のSilver Skyもそれに勝るとも劣らないほど驚きました。今度はどんな風に驚かせてくれるのか、今後もPRS SEをチェックしておきたいと思います。
次回は今回に引き続く形になりますが、2013年にCoreラインとSEラインの中間を取ることを目的としたライン「S2」について取り上げたいと思います。
それでは。
PRS 2012 SE Tim Mahoney (Baby Blue)