PRS アニバーサリーモデルのお話。
今回はPRSのアニバーサリーモデルのお話です。
PRSは1985年の創設より39年目となり、来年は40周年のアニバーサリーイヤーとなります。
来年を早くも楽しみにしつつ、在庫している2020年製、35周年記念モデルをご紹介しようと思います。
5年おきにアニバーサリーモデルが販売されるPRSですが、それぞれ指板インレイやヘッドインレイが新しくデザインされ、常に進化と改良を続けるPRSらしい特徴のあるモデルとなっています。
ヘッドインレイはPre-factory Small Eagle Inlayが採用されています。
通常モダンイーグルモデルなどに使用されるイーグルヘッドインレイより一回り小さいイーグルインレイは、プレファクトリー時代に使われていたもので、歴史あるデザインです。
指板のインレイはOld School Birds Inlayで、こちらも初期モデルに採用されていた縁取りなどの無いシンプルなデザインで、当時はMother of Peal (白蝶貝)が使われていましたが、こちらはGreen Ripple Abalone(あわび)です。見た目は白蝶貝に近いものが選ばれているようです。
トラディショナルなルックスを大切にしつつ、確実に進化した部分もいくつかご紹介します。
まずは2020年からカスタム24に標準搭載となったペグボタンとシャフトの距離が調整可能な”Phase III Locking Tuners”ですね。
最初に見たときはなぜイモネジがあるのか疑問でしたが、ペグボタンと本体の間をイモネジで止めることで滑りがなくなり、より正確で安定したチューニングが可能となっています。
ピックアップは2019年末に発表された85/15 TCIが搭載されています。
TCIはチューンド キャパシタンス アンド インダクタンスの略なんだそうです。
使う材料などは以前の85/15と変わらないのですが、データなどを見直しコイルの巻き具合などを改良することにより、よりスムーズに信号が伝達するようになっています。
確かに音の抜けの良さはありますね。
コントロールはミニスイッチ2つが追加されたコントロールです。
Paul’s Guitarで採用された縦並びのミニスイッチがこのモデルにも搭載されていて、
それぞれのピックアップが独立してコイルタップ出来る仕様となっています。
そして何といっても一番の変化は塗装なのではないでしょうか。
長年ウレタン系であったVシリーズ塗装から、ラッカー系のNOCという方式に変更されています。
NOCはNitro over Celluoseの略なんだそうです。
ベースに使われるCellulose Acetate Butyrateというラッカーは今まで使われていた塗装に比べ、クラックが起きにくく、トップコートのNitroとも相性が良く、透明感のある薄くて硬いフィニッシュに仕上がるそうです。特性として対紫外線効果なんかもあるようですので、古いPRSに見られるような褪色や白濁は今後少なくなってゆくかもしれません。
まだまだ魅力につきないPRSですが、今回はこのへんで。