サーフブンガクカマクラ完全版!!のお話
みなさんこんにちは、スタッフ太田尾です。
ついに心待ちにしていたアジカンの”サーフブンガクカマクラ完全版”の配信/販売がスタートしました!!
既にチェックしたアジカン好きの方々はどういった印象を受けたのか、気になるところです。
なので今回はアルバム「サーフブンガクカマクラ完全版」について、率直に思ったことをお話したいと思います!!
まず音についての感想ですが、サブスクのApple Musicで聞いたのですが、どの曲も曲調は新たに収録された曲を含んでも以前と同等の湘南を感じる爽快感があるのですが、アルバム全体を通して低音が強めに聞こえるミックスで、2008年版と比べると全体的に雰囲気がだいぶダークな印象で、2008年版は晴れの湘南という印象でしたが、曇天や梅雨の湘南なイメージに感じました。
昨今EDM等によく取り入れられているミックスの傾向に少し寄っている気がしますが、そのおかげかボーカルはすごく前に張り出してくる感じがして、「ゴッチの歌が聴きたいんだ!!」といった方にはもってこいな仕上がりとも言えます。
音楽ナタリーのインタビューによると2008年のサーフブンガクカマクラを担当したエンジニアに今回もお願いしたそうですが、特に1曲目の「藤沢ルーザー」が以前のアルバムに収録されていた音源と比較しやすい為、違いを顕著に感じられ、ギターに関してはどちらかと言うと少し奥まった場所に置かれていて、かつ、以前は感じられたジャリジャリとしていて、ドラムとベースのスカスカ感のあるサウンドが感じられず、もう少し前に出てきてくれても良いのに…と思ったりもします。
いかにも当時の邦ロックを象徴していると言っても過言ではないサウンドに仕上がっているように思える2008年版の方が音については個人的には好みでした、というのが本音です。
また、完全版リリース前に、完全版に収録される新曲たち「石上ヒルズ」、「柳小路パラレルユニバース」、「西方コーストストーリー」、「日坂ダウンヒル」、「和田塚ワンダーズ」を「サーフブンガクカマクラ(半カートン)」として先行配信しており、先にそちらを聞いた際にちょっと感じたのが、実際に完全版として元ある曲たちの間に挟むと以前のアルバムの雰囲気から少し離れてしまうのではないかと。
ですが、アジカンすごい!!と感じた点として、不思議とこの新たに収録された曲たちもアルバムの中に混ざるとちゃんとアルバムの雰囲気に馴染んでいる点です。
要因として、今回は一発撮りじゃない曲たちが入るということで、そこは割り切って、かつアップデートできるようにメンバー間で話し合いながら音作りをしたという部分が存分に発揮されているように感じます。
個人的に新しく収録された曲の中だと「石上ヒルズ」と「和田塚ワンダーズ」の2曲が好きです。
前者はサビのメロディがキャッチーながらも、パワーポップ感をちゃんと表現しているアンサンブルがこのアルバムの雰囲気に沿った感じを出しているのですが、歌詞には「スマホの端まで猛スピードの申し子」や「指先まで新時代の申し子」と2008年にはまだ普及していなかったスマホに関しての内容となっており、音と歌詞の時代のミスマッチ感が絶妙な空想世界感を演出しているように思います。
また、ツイッターで後藤氏が「和田塚ワンダーズは2008年から決まってる。どういう意味かは知らないし、曲もまだないけれども。笑」と2015年の時点でツイートしているのですが、3拍子(6/8拍子)のミドルテンポに重ためのリズム隊、また2本のギターの重厚感がしっかりと聞けて、個人的にこの曲が一番「サーフブンガクカマクラ」らしい新曲で、次に続く最終曲の「鎌倉グッドバイ」へ最高のバトンパスをしている感じがとっても良いです。
ですが、完全版と2008年版、両方とも何度か聴き比べましたが、ほとんどの曲が一発撮りで収録された2008年版の方がどうしても音が好みだと感じてしまいます…
今回のアルバムはすごく期待していただけに、サウンド面で好みから少し外れてしまったのですが、アルバム全体の曲の繋がりや仕上がりとしては、15年の時を経てちゃんと完全版として完成された感じがしますし、元々10曲だったアルバムが時を経て、江ノ電の15駅全駅分の曲を収録してリニューアルされたというのは「15」という数字にこだわりを感じ、これはこれで一つのアルバムの在り方としてアジカンの格好良さが存分に感じられます。
やはり「サーフブンガクカマクラ」は一発せーので合わせたバンドマジックが魅力だと思うので、ライブが早く見たいです…!!
今回はこの辺で。
それではまた!!