2021年4月15日 / 最終更新日 : 2021年4月16日 toshiakikasuya REGULAR 167『トケイ(時計)』 北鎌倉から石神井に戻り、 古い平家を改造しながら 気ままに暮らしている頃だった。 玄関だったスペースに床板を貼り、 簡易的な仕事場にしていたのだ。 (昭和風な土間がある玄関である) であるから、 この家に入るには、 隣りに建っている母家の玄関から 入らなければならなかった。 母家の廊下と平家の縁側と >> Read more
2021年4月6日 / 最終更新日 : 2021年4月6日 toshiakikasuya REGULAR 166『26歳の夏』China Cats Trips Band ある日、家に帰ると、 家族が10人に増えていた。 いや、正確な数はわからない。 数えなかったからである。 和風の居間に 横長のソファがあったのだが、 そこを新たな家族が横一列に占領し、 余った数人が窓辺にいた記憶がある。 「あの人たちはなんなのさ」 会社から帰った夫は妻に問うた。 「わたし、知らない >> Read more
2021年3月30日 / 最終更新日 : 2021年4月12日 toshiakikasuya REGULAR 165「村八分」京都円山野外音楽堂 今更ながらだが、 『村八分』はミステリアスだ。 それは、やはり チャー坊の存在感によるものだと思う。 あの妖艶さは他に類をみないし、 作って作れるものではない。 京都という舞台もよかった。 日本のロックが創世記だったのも 時代にマッチしたのだと思う。 しかし、 いろいろな話を聞いてみると、 そう >> Read more
2021年3月24日 / 最終更新日 : 2021年3月24日 toshiakikasuya REGULAR 163『国立ブドウ園/吉祥寺』ラブ&ピース 公園の桜が咲いた。 野球場のぐるりを取り巻いていて、 学生の頃はみんなで花見して騒いだもんである。 そんな若い頃、 確か20歳か21歳くらいの頃、 国立に『ブドウ園』っていう共同住宅があって、 「RCの清志郎なんかも住んでるらしいぜ」 っていう噂話に花が咲き、 1部屋五千円だという部屋を 友達と借り >> Read more
2021年2月25日 / 最終更新日 : 2021年2月25日 toshiakikasuya REGULAR 161『高円寺/3月の満月夜に』 今年はテンポ良くブログを 書き進めるつもりだったのだが、 やはり月日の方が一足早く進み、 あっという間にひと月が過ぎてしまった。 それでも寒い季節に峠が見え、 日増しに春を想わせる今日この頃、 皆様はいかがお過ごしでしょうか? こちらは、久々に音楽のある日々に 浸っている感じなのである。 『藻の月』 >> Read more
2021年1月6日 / 最終更新日 : 2021年1月7日 toshiakikasuya REGULAR 159『青ちゃんの誕生日』 昨日は青ちゃんの誕生日だった。 正月明けの1月5日で ちょうど70歳になる。 おめでたい生まれなのだ。 出生はは台東区の 北部に位置する日本堤。 日雇い労働者の集まる三谷に隣接し、 北東に行くと『あしたのジョー』の 舞台にもなった『泪橋』がある。 「道を間違えんなよ、ちょっと間違ったら『吉原』に行っ >> Read more
2020年10月30日 / 最終更新日 : 2020年10月30日 toshiakikasuya REGULAR 157『東芝EMI』 赤坂見附から虎ノ門に至る「外堀通り」は、 かつては「溜池」とよぶ、 外堀兼用 の上水源だったという。 かなり細長い溜池で ひょうたん池と呼ばれていたのだとか。 その「外堀通り」と「六本木通り」が 交差した「溜池交差点」に かつての『東芝EMI』はあった。 「私が入社した頃はさ、“溜池のピサの斜塔”っ >> Read more
2020年8月20日 / 最終更新日 : 2020年8月20日 toshiakikasuya REGULAR 156『特別な夏』 城跡の横にある小道を ママチャリで下っていく。 見上げると深緑の景色から 刺すような夏日がこぼれていた。 「今日も35度以上の猛暑になりそうです。熱中症にお気をつけください」 どのメディアも気候の急変に 注意喚起を促している。 ため息が出るほど長かった梅雨が じわじわと心を揺らしたかと想うと、 一夜 >> Read more
2020年6月21日 / 最終更新日 : 2020年6月21日 toshiakikasuya REGULAR 154『つげ義春からBEATLESまで』 『おうちでゆっくり』 にも慣れてくると、 何処にも行かないことが けっこう愉しくなってくる。 元来、怠け者なのだ。 随分と長きに渡り 働く人のフリをしてきたが、 「実は違うんです」と、 自らの表面をひるがえしたい。 こんな(ゆったりとした)ときは、 『つげ義春』の世界に浸りたいと思い、 通販で何冊か >> Read more
2020年5月2日 / 最終更新日 : 2020年5月2日 toshiakikasuya REGULAR 152『ゲームチェンジャーGame changer』 『山口冨士夫とよもヤバ話』 を書き始めて5年目の春がきた。 エミリが冨士夫としのぶを引き連れて 我が家を訪れてから、 実に40年近い年月が経つのだ。 その頃とたった今とを比べると、 僕らはとっても良い時代に 若い時期を過ごしていた気がする。 当時は未来への選択肢が 幾つもあったからだ。 とりわけ怠け >> Read more
2020年4月12日 / 最終更新日 : 2020年4月12日 toshiakikasuya REGULAR 151『池におちる夢』 池におちる夢をみた。 公園で釣りをしていたら、 誤っておちたのだった。 夢の中の水は、 生命力や健康、 感情の象徴であるという。 水がたまった池の状態は、 自分自身の心理状態を 反映しているのだというのだ。 だから、少しビックリした。 真夜中にドキドキとしたのである。 子供のころは、 ひとりでいるこ >> Read more
2020年3月26日 / 最終更新日 : 2020年3月26日 toshiakikasuya REGULAR 150『遥かなるメコン川』 20年以上前になるだろうか、 メコン川に行ったことがある。 ご存知だとは思うが、 メコン川とは、 チベット高原に源流を発し、 中国の雲南省を通り、 ミャンマー・ラオス国境、 タイ・カンボジア・ベトナムを およそ4200キロに渡り流れ、 南シナ海に抜けていく 国際河川のことだ。 アジア人であれば、 人 >> Read more
2020年2月23日 / 最終更新日 : 2020年2月23日 toshiakikasuya REGULAR 149『人生の車窓/マーチン』 新宿からロマンスカーに乗った。 なんてったって憧れの 小田急ロマンスカーである。 何回目のロマンスカーだろうか? なんて、思い出そうとしても 何も浮かんでこない。 もしかするとお初になるのか? そう気がついて 嬉々としているところに 車内販売の姉さんが来た。 「カフィ プリーズ」 とは言わなかったが >> Read more
2019年12月18日 / 最終更新日 : 2019年12月18日 toshiakikasuya REGULAR 147『山口冨士夫 伝説のクロコダイルライブ その1』 冬になってきた。 と思ったら、 すっかりと完全に冬である。 紅葉などを眺める間もなく、 冷たい北風がほほをなでてくる。 こんな時は暖かい部屋で 音楽でもを流しながら、 本を読みたい気分なのだが、 ついついタブレットで ネットの世界を眺めてしまう。 すると次から次へと飛んでくる メールやらの情報につら >> Read more
2019年9月9日 / 最終更新日 : 2019年9月9日 toshiakikasuya REGULAR 144『夏の終わりの音/中島らもさん』 蝉の鳴き声が鈴虫に変わると、 なんだか寂しい気持ちになる。 いつの間にか日暮れが早まって、 妙にしんみりとするのだ。 今年もまた夏が終わるんだな、 なんて思いながら 棚周りの片づけをしていたら 古いCDRが出てきた。 『 中島らも/山口冨士夫/石田長生/渋谷クラブ・クアトロLive』 とある。 20 >> Read more
2019年8月20日 / 最終更新日 : 2019年8月20日 toshiakikasuya REGULAR 143『お盆の七回忌』 家を出る時は曇り空だったので、 傘を持って出たくなかった。 「途中で降られるよ、台風なんだからさ」 と家の人に言われたのだが、 なんだか“うるせぇや!”と思って、 バタン!っと、外に出たのだ。 別に怒っているわけではない。 面倒だったのである。 いや、興奮していたのかも知れない。 ステージに上がるわ >> Read more
2019年8月10日 / 最終更新日 : 2019年8月10日 toshiakikasuya REGULAR 142『誕生日/古希祝い』 今日は冨士夫の誕生日である。 生きていれば70歳だから、 古希祝いという事になるのだ。 そもそも古希とは 長寿を祝う風習で、 中国から伝わってきているのだとか。 それは1,000年以上も前、 唐の時代が発祥の 風習だといういから、 そりゃあ、えらく古いもんなのだ。 色でいうなら『紫』。 還暦が赤なら >> Read more
2019年8月7日 / 最終更新日 : 2019年8月7日 toshiakikasuya REGULAR 141『クレイジーサマーナイト』 真夏の夜の動物園/ダイナマイツ ほんとうに暑い。 クソ暑くて死にそうである。 中央線の乗客もみんな、 へたりきった犬のような 表情をしているではないか。 なんちゃって、そう見えるのだ。 そう想いながら つり革に揺られていると、 夕暮れの高円寺駅に着いた。 南口を出て、 “この道はいつか来た道” なぁんて気分で、 かつてスタジオがあ >> Read more
2019年7月11日 / 最終更新日 : 2019年7月11日 toshiakikasuya REGULAR 139『山口冨士夫を偲ぶ6年目の夏』 夏が来る前には、 必ず梅雨のトンネルを通る。 見上げると、 雨に濡れた緑葉の傘が重なって、 まばゆいはずの夏の景色を おおい隠しているかのようだ。 そんな小雨降る公園脇の坂道を、 自転車でゆっくりと 下っているときだった。 いきなり曲のセットリストが ラインで飛んで来たのだ。 “お久しぶり、吉田です >> Read more
2019年5月9日 / 最終更新日 : 2019年5月9日 toshiakikasuya REGULAR 136『チャー坊とテッちゃん』もうひとつの村八分3/村瀬シゲト 『村八分』は、 “メンバーにスキルがあるとか、 何かのエキスパートだとか、 そういう何もかもを 要求しないバンドだった” という。 「その代わり、“オモロい奴だ” とかいうのが必要になってくるんや(笑)。それと、チャー坊が唯一シゲトくんだけには弱いバンドだったな」 そう言って、 よっちゃん(加藤義明 >> Read more