~Fender Custom Shop 1990年代の “Cunetto” って何のこと?~
~Fender Custom Shop 1990年代の “Cunetto” って何のこと?~
ずばりCunettoとは人の名前で、かつてFender Custom Shopからの外注を受けて”Relic”加工をしていたVince Cunetto氏のことです。
そう、かつてFender Custom Shopは自社の工房でレリック加工をしていなかったのです。
そして外注していた全期間となる
-1995年6月~1999年5月-
のRelicギターを総称して、近年では“Cunetto Era”や“Cunetto Relic”などと呼ぶようになりました。
Fender Custom ShopにおけるRelicの元祖であり、現在国内外で非常に高い評価を受けており、市場では高額で取引されています。
たしかに今のレリックの風合いと違う感じがしますね。
この時は、パーツ毎にバラバラのボディ/ネック/金属パーツなどをミズーリにあったCunetto氏の工場で受け取り、レリック加工”のみ”を施して、フェンダーのコロナ工場に送り汲み上げるというプロセスだったようですね。
ちなみにウェザーチェックのみを入れるCloset Classic仕上げのコンセプト自体もCunetto氏により提案されていたようですが、この工場での生産はありませんでした。
ここで”Nocaster”の中で当時のものとその後の”Time Machine Series”で異なる部分のスペックなどを紹介します。
指板のラディアスは9.5R → その後のタイムマシーンシリーズでは7.25R(近年では9.5Rのものも多々あり)
チューナーの配置 → 広かったものを狭める
シリアル体系 → ジョイントプレートのCN から ブリッジプレートのRへ
プラスネジ → マイナスネジ
ジャックカップ → プレスから削り出しへ。
ペグボタンの形
ボディシェイプ
高い評価を得ているCunettoではありますが、よりヴィンテージに近いスペックという意味ではタイムマシーンシリーズの方がよく研究されているといった印象ですね。
しかしパーツ自体を製造していたのは、Fenderの方でCunettoさんはレリックのみを手掛けていたので、彼のせいではないですし、きっと彼はパーツの不正確さにも気付いていたのかもしれませんね。