2017年10月7日 / 最終更新日 : 2017年10月7日 toshiakikasuya REGULAR 095『中秋の名月』/終わりのダンス 1990年の秋風がそぞろ吹くころ、 TEARDROPSはレコーディングに入っていた。 東芝EMIから早くも3枚目のリリースとなる アルバムの制作である。 しかし、辺りは雲行きがワルい。 夏が過ぎ、入道雲がうろこ雲に変わる頃、 すっかりと周辺の景色に、 陰りが見えてきたのである。 「天高く馬肥ゆる秋」 >> Read more
2017年9月19日 / 最終更新日 : 2017年9月23日 toshiakikasuya REGULAR 094『ビショップのリゾート』resort(山口冨士夫&加部正義) trailer ビショップは、ドラマーである。 冨士夫とはかつて、 2つのバンドで共に活動していた。 『ZOON』と『リゾート』だ。 残暑なのか何なのか、 さっぱりわからない9月の雨模様の夕暮れ。 小田急線『成城学園』の改札口で ビショップと会った。 初対面なのだ。 だから、本来は“ビショップさん”なのだが、 さん >> Read more
2017年9月8日 / 最終更新日 : 2017年9月8日 toshiakikasuya REGULAR 093『BO GAMBOS』BO GUMBOS with 山口冨士夫 / I’M A MAN 1990年9月8日金曜、 代々木公園の野外音楽堂で、 『BO GAMBOS』の フリーコンサートが催された。 そのステージに、前話『命の祭り』での冨士夫とは まるで別人になった山口冨士夫が登場する。 もっとも、この前日には 『TEARDROPS』のクラブチッタ公演があり、 緊張の糸がうまいこと繋がっ >> Read more
2017年8月28日 / 最終更新日 : 2017年8月28日 toshiakikasuya REGULAR 092『残暑/1990年大山・命の祭り』 なんだか、蒸し蒸しとモヤモヤして、 ちっとも気が晴れない。 そんな、真夏なのに梅雨のような気分でいたら、 持っていた全てのカードが裏返ってしまった。 「なんか、最悪な気分なんだけど」 冨士夫がいるときは、 そう電話すればよかった。 冨士夫は弱っている人間には、 めっぽう好意的なのだ。 「そんなときの >> Read more
2017年8月14日 / 最終更新日 : 2017年8月14日 toshiakikasuya REGULAR 091『高円寺/冨士夫の命日』 高円寺までママチャリで行った。 冨士夫の『こぼれ話本』を作ったはいいが、 少しばかり多く再刷りし過ぎて、 ベッドの横を占領しちゃってるからだ。 クルマで行くとサケが呑めないし、 電車のある時間に帰らない自信はアル。 すなわち、ママチャリカゴに本を入れて、 ギーコギーコ行けばいーのである。 「ぜんぜん >> Read more
2017年7月31日 / 最終更新日 : 2017年8月4日 toshiakikasuya REGULAR 089『ジニーの『リゾート』/その1』one more time (Them cover) from リゾート(山口冨士夫&加部正義) live 1976(2CD) 1976年8月、 約40年前の夏の終わりに、 渋谷のエピキュラスで 『SWITCH-ON!(スイッチオン!)』という 音楽イベントが開催された。 仕掛けたのは岩田鉄太郎なる人物である。 「岩田鉄太郎っていうのは、 私の知ってる限りは画家だね。 油絵を描いていた」 そう言って、ジニー(※1)が肩をすく >> Read more
2017年6月30日 / 最終更新日 : 2017年6月30日 toshiakikasuya REGULAR 087『梅雨の手紙』ひとつ/山口冨士夫 あの年は、珍しく長雨が続いていた。 降水量も多く、160%だという。 そんな、傘をさすのも おっくうになるような 1985年6月の終わりに、 雨粒に濡れて、 少しばかりよれた封筒が届いたのだ。 冨士夫からだった。 分厚くふくれた封の姿に 多少なりともたじろぎながら、 中身を引きずり出してみた。 10 >> Read more
2017年6月16日 / 最終更新日 : 2017年6月16日 toshiakikasuya REGULAR 086『不可思議な体験』Funny Day/The Ding-A-Lings 今回のよもヤバ話は少しひん曲がる。 不可思議な体験について話そうと思うのだ。 最初は小学校の低学年の時だったと思う。 自宅の居間で一人遊びをしている時に、 なんともいえない妙な気分に襲われた。 “ボァン”という頭の揺れとともに、 薄い耳鳴りのようなものがしてきたのだ。 「なんだべ?」 ザワザワという >> Read more
2017年6月4日 / 最終更新日 : 2017年6月4日 toshiakikasuya REGULAR 085『後楽園ホール』/瞬間移動できたら 6月に入った。 1年の半分が過ぎようとしている。 気候も良いし、風も爽やかなので、 なんか良い気分なのだ。 これで、何か面白い考えでも湧いてくればサイコーなのだが……。 そんな想いで庭を眺めると、 春の息吹きで草木が大きく伸びをしているのが解る。 もうすぐ梅雨になるのだ。 むせ返るような夏が来る前に >> Read more
2017年5月28日 / 最終更新日 : 2017年5月28日 toshiakikasuya REGULAR 084『BLUE & LONESOME SPECIAL LIVE!』THE BEGGARS/Rolling Stones Tribute 今回は『Beggars』のヴォーカル、 ケンちゃんの話をしようと思う。 彼がいなければ、 TEARDROPSの成り立ちも 大きく変わっていただろうし、 スムーズに滑り出すことが できなかっただろうと思う。 そんな、ケンちゃんに初めて会ったのは、 まだまだ音楽の雰囲気が 漂っているころの吉祥寺だった。 >> Read more
2017年5月17日 / 最終更新日 : 2017年5月17日 toshiakikasuya REGULAR 083『バウスシアター』/ヒッチハイク from 『TEARDROPS LIVE 1990 ‘ BAUS THEATER’ – Vintage Vault Vol.2』 吉祥寺の北口、 サンロードをますぐ行ったドン付きに バウスシアターはあった。 そこで、1990年の6月/1、2日、 TEARDROPSのアルバム 「MIXIN’ LOVE」発売記念の ライヴを2DAYS で行ったのだ。 渋谷ラママのブッキングで お世話になっていた 大森さんのプランである >> Read more
2017年5月7日 / 最終更新日 : 2017年5月7日 toshiakikasuya REGULAR 082『鳥井賀句(さん)そして、ジョニー・サンダース』 冨士夫の音楽に関わり始めた頃の話。 僕は世間知らずの会社員で、 20代後半の生意気盛りだったのだと思う。 マスメディアの仕事に携わっていたので、 何か大きな勘違いでもしていたのだろう。 好きなことなら、 何でもできるような気がしていた。 日の当たる明るい方向に 背伸びした自分をかざして、 すれ違う人 >> Read more
2017年4月29日 / 最終更新日 : 2017年4月29日 toshiakikasuya REGULAR 081『ミューズホールのチャー坊』/ 水たまり 「チャー坊を寄せてやって」 珍しくテッちゃんが頼み込んできた。 1990年の5月のことである。 僕らはTEARDROPSの『Mixing Love Tour』 のために京都に来ていた。 ゴールデンウィーク明けの、 ミューズホールでの2Daysだったのだ。 その後には1日空けて、 神戸のチキンジョージ >> Read more
2017年4月13日 / 最終更新日 : 2017年4月13日 toshiakikasuya REGULAR 079『シーナ&ロケッツ/シーナの日』レモンティ このブログを始めて、まる2年が経つ。 実は、ブログを始める前は、 冨士夫のアルバムを作りたいと想っていた。 数日かけて約20曲を選び、並べてみたのだ。 「滅多にない出来映えだぞ」 完全に独りよがりで悦に入る。 さて、コレをどーしようか? エミリに聴かせて、 コイワイくん(グッドラヴィン)に聴かせて、 >> Read more
2017年3月29日 / 最終更新日 : 2017年3月29日 toshiakikasuya REGULAR 077『ひまつぶし/お花見』 SO WHAT3/何処へ行っても まだ、北鎌倉に住んでいたころだった。 「コレ、聴いてみ、トシが好きだと思うよ」 エミリが一本のカセットテープをくれた。 マジックで『ひまつぶし』って書いてある。 “ なんじゃろ? ”って思いながら音を流す。 ちょうど今と同じように、 季節が春めいてきた頃。 庭に面した障子窓を開け放ち、 早春の風に吹 >> Read more
2017年3月17日 / 最終更新日 : 2017年3月17日 toshiakikasuya REGULAR 076『村八分(SO WHAT 2)』村八分BOX -LIMITED EDITION Trailer このブログは一応、 時系列に書いているつもりなのだが、 書き手の性格の歪みで、 ついついアチコチに飛んでしまう。 だから、読んでいるほうは ワケがわからないようだ。 ここで、一応説明してもいいかしら? ブログ年では、今は1990年の4月である。 TEARDROPSはMIxin Love Tourを始 >> Read more
2017年3月7日 / 最終更新日 : 2017年3月7日 toshiakikasuya REGULAR 075『ムッシュ・かまやつさん/NO NO BOY』Mark Cass & ムッシュ ♪ No No Boy ムッシュ・かまやつひろしさんとは、 ほんの少しだけだったが、 関わりを持てた時期があった。 よく、その数少ないエピソードを これ見よがしに自慢したものだ。 “ い 〜 だ ろ 〜 ”ってな感じである。 それを聞いて羨ましがるのは冨士夫である。 実は、彼はかまやつさんの大ファンだった。 中学生のころは >> Read more
2017年2月28日 / 最終更新日 : 2017年2月28日 toshiakikasuya REGULAR 074『SO WHAT/阿佐ヶ谷』トンネル天国/ザ・ダイナマイツ 阿佐ヶ谷にある中杉通りが気に入っている。 青梅街道から早稲田通りまでの並木道が、 このうえもなく気持ちいいからだ。 しかし、かつての阿佐ヶ谷駅は、 現在のような高架ではなく、 南北をさえぎる踏切があったらしい。 つまり、木漏れ日のある並木道は、 南側だけのものだったのだ。 すると、北口からの風景は >> Read more
2017年2月18日 / 最終更新日 : 2017年2月18日 toshiakikasuya REGULAR 073『呑んべえ親父』Rock Me たまには身内の話をしてもいいだろうか。 ウチの親父は中学の教師だった。 社会科を教えていたのだが、 すンごい飲んべえだった。 ほとんどアル中だったのだろう。 朝から手が震えているのだ。 だから、少しばかり“グビッ”と飲む。 すると震えはおさまった。 そのくせ、“真面目”ってのが好きだった。 いつも「 >> Read more
2017年2月11日 / 最終更新日 : 2017年2月11日 toshiakikasuya REGULAR 072『大阪』ON THE ROAD AGAIN 冨士夫はライブが大好きだった。 それが生き甲斐だったのかも知れない。 そのくせ、人見知りで気が小さい。 だから、ライブが近づいてくるにつれて、 だんだんと不安定になっていくんだ。 「今度のツアーは大阪からだよな」 リハーサルスタジオで、 ギターをケースにしまいながら ひと息ついた冨士夫が訊いてきた。 >> Read more