2021年4月15日 / 最終更新日 : 2021年4月16日 toshiakikasuya REGULAR 167『トケイ(時計)』 北鎌倉から石神井に戻り、 古い平家を改造しながら 気ままに暮らしている頃だった。 玄関だったスペースに床板を貼り、 簡易的な仕事場にしていたのだ。 (昭和風な土間がある玄関である) であるから、 この家に入るには、 隣りに建っている母家の玄関から 入らなければならなかった。 母家の廊下と平家の縁側と >> Read more
2021年3月30日 / 最終更新日 : 2021年4月12日 toshiakikasuya REGULAR 165「村八分」京都円山野外音楽堂 今更ながらだが、 『村八分』はミステリアスだ。 それは、やはり チャー坊の存在感によるものだと思う。 あの妖艶さは他に類をみないし、 作って作れるものではない。 京都という舞台もよかった。 日本のロックが創世記だったのも 時代にマッチしたのだと思う。 しかし、 いろいろな話を聞いてみると、 そう >> Read more
2021年3月26日 / 最終更新日 : 2021年3月26日 toshiakikasuya REGULAR 164『ひまつぶし』完全復刻盤で限定リリース! 初めて『ひまつぶし』を聴いたのは、 エミリからもらったカセットテープだった。 こういっちゃあ、 怒られるかも知れないが、 すごく聴きやすいロックに思えた。 『WALKMAN』に入れて 横須賀線の車窓に流れる景色と共に、 良い気分になって聴いていた気がする。 北鎌倉から会社に行く間の 至極のリラックス >> Read more
2021年3月24日 / 最終更新日 : 2021年3月24日 toshiakikasuya REGULAR 163『国立ブドウ園/吉祥寺』ラブ&ピース 公園の桜が咲いた。 野球場のぐるりを取り巻いていて、 学生の頃はみんなで花見して騒いだもんである。 そんな若い頃、 確か20歳か21歳くらいの頃、 国立に『ブドウ園』っていう共同住宅があって、 「RCの清志郎なんかも住んでるらしいぜ」 っていう噂話に花が咲き、 1部屋五千円だという部屋を 友達と借り >> Read more
2021年3月17日 / 最終更新日 : 2021年3月17日 toshiakikasuya REGULAR 162『ジャケット撮影/アーティスト写真』 春浅い日曜の高円寺は、 予想通りの人出であった。 北口のロータリーには 時間を持て余す若者たちが、 行くあてもなくたむろっている。 そんな高円寺駅のガード下に車を停め、 『藻の月』のメンバーを待つことにした。 今日はバンドの撮影をするのだ。 俗に言う『アー写(アーティスト写真)』 というやつである。 >> Read more
2021年2月25日 / 最終更新日 : 2021年2月25日 toshiakikasuya REGULAR 161『高円寺/3月の満月夜に』 今年はテンポ良くブログを 書き進めるつもりだったのだが、 やはり月日の方が一足早く進み、 あっという間にひと月が過ぎてしまった。 それでも寒い季節に峠が見え、 日増しに春を想わせる今日この頃、 皆様はいかがお過ごしでしょうか? こちらは、久々に音楽のある日々に 浸っている感じなのである。 『藻の月』 >> Read more
2021年1月1日 / 最終更新日 : 2021年1月1日 toshiakikasuya REGULAR 158『明石海峡』謹賀新年 久しぶりの神戸だった。 以前訪れた時から勘定して 20年近くも経っているのだろうか。 コロナ禍の大変なご時世だが、 身内の引越しを手伝うため 神戸まで来たのだった。 最近はだんだんと 時間の観念が麻痺している。 昔やら現在が、 目の前を行き交う船のように 距離感や速度感なく 通り過ぎて行くのだ。 た >> Read more
2020年10月30日 / 最終更新日 : 2020年10月30日 toshiakikasuya REGULAR 157『東芝EMI』 赤坂見附から虎ノ門に至る「外堀通り」は、 かつては「溜池」とよぶ、 外堀兼用 の上水源だったという。 かなり細長い溜池で ひょうたん池と呼ばれていたのだとか。 その「外堀通り」と「六本木通り」が 交差した「溜池交差点」に かつての『東芝EMI』はあった。 「私が入社した頃はさ、“溜池のピサの斜塔”っ >> Read more
2020年8月20日 / 最終更新日 : 2020年8月20日 toshiakikasuya REGULAR 156『特別な夏』 城跡の横にある小道を ママチャリで下っていく。 見上げると深緑の景色から 刺すような夏日がこぼれていた。 「今日も35度以上の猛暑になりそうです。熱中症にお気をつけください」 どのメディアも気候の急変に 注意喚起を促している。 ため息が出るほど長かった梅雨が じわじわと心を揺らしたかと想うと、 一夜 >> Read more
2020年7月16日 / 最終更新日 : 2020年7月16日 toshiakikasuya REGULAR 155『幸せな時間/“転々”』 7月に入ったが梅雨は明けず、 ゆっくりと自粛の時間が流れている。 こんな時は日がな一日 もの思いにふけったりするのだ。 やりたいことを考えては 密かに妄想をする。 聴き心地の良い音楽を探して 少し遠くのスピーカーから流し、 “何をしようか” なんて漠然と想うのである。 フリーの生活をしていると、 そ >> Read more
2020年6月21日 / 最終更新日 : 2020年6月21日 toshiakikasuya REGULAR 154『つげ義春からBEATLESまで』 『おうちでゆっくり』 にも慣れてくると、 何処にも行かないことが けっこう愉しくなってくる。 元来、怠け者なのだ。 随分と長きに渡り 働く人のフリをしてきたが、 「実は違うんです」と、 自らの表面をひるがえしたい。 こんな(ゆったりとした)ときは、 『つげ義春』の世界に浸りたいと思い、 通販で何冊か >> Read more
2020年5月31日 / 最終更新日 : 2020年5月31日 toshiakikasuya REGULAR 153『新しい日常/六人組』 突然、暇になった。 何もかもが宙に浮き、 まるで時間が止まったかのようである。 季節変わりの天気を眺めながら、 はるか昔に想いを馳せてみる。 あの頃も、突然に変わってしまったのだ。 会社員と音楽マネージメントとの 馴れない二足のわらじを履いて、 早回しのハムスターように くるくると廻っていた日常が、 >> Read more
2020年5月2日 / 最終更新日 : 2020年5月2日 toshiakikasuya REGULAR 152『ゲームチェンジャーGame changer』 『山口冨士夫とよもヤバ話』 を書き始めて5年目の春がきた。 エミリが冨士夫としのぶを引き連れて 我が家を訪れてから、 実に40年近い年月が経つのだ。 その頃とたった今とを比べると、 僕らはとっても良い時代に 若い時期を過ごしていた気がする。 当時は未来への選択肢が 幾つもあったからだ。 とりわけ怠け >> Read more
2020年3月26日 / 最終更新日 : 2020年3月26日 toshiakikasuya REGULAR 150『遥かなるメコン川』 20年以上前になるだろうか、 メコン川に行ったことがある。 ご存知だとは思うが、 メコン川とは、 チベット高原に源流を発し、 中国の雲南省を通り、 ミャンマー・ラオス国境、 タイ・カンボジア・ベトナムを およそ4200キロに渡り流れ、 南シナ海に抜けていく 国際河川のことだ。 アジア人であれば、 人 >> Read more
2019年12月18日 / 最終更新日 : 2019年12月18日 toshiakikasuya REGULAR 147『山口冨士夫 伝説のクロコダイルライブ その1』 冬になってきた。 と思ったら、 すっかりと完全に冬である。 紅葉などを眺める間もなく、 冷たい北風がほほをなでてくる。 こんな時は暖かい部屋で 音楽でもを流しながら、 本を読みたい気分なのだが、 ついついタブレットで ネットの世界を眺めてしまう。 すると次から次へと飛んでくる メールやらの情報につら >> Read more
2019年10月26日 / 最終更新日 : 2019年10月26日 toshiakikasuya REGULAR 146『伊藤 耕の手紙』 コウの手紙を読むために、 少し早くアースダムに出向いた。 まだリハーサル中の Barスペースには、 見慣れた顔がゾロゾロいて ちょっとした同窓会気分になる。 その中にいた安井を見つけて 声をかけると、 すぐにコウの奥さんを 紹介してくれたのだった。 彼女(満寿子さん)とは 実に初対面であった。 これ >> Read more
2019年10月6日 / 最終更新日 : 2019年10月6日 toshiakikasuya REGULAR 145『KEEP ON ROCK & DANCE 耕もね』伊藤耕2DAYS “なんで俺がわざわざ、奴らのツケを払いに行かなきゃなんねぇんだ” なんて独り言をいったかどうかは 覚えてないけれど、 少しばかり不条理な気分で 竹下通りを歩いていた。 「トシ!溜まっている飲み代を払ってくれないか」 WCのオーナー・石黒から、 悲痛なる連絡を受けて、 店に出向いているのである。 でも >> Read more
2019年8月10日 / 最終更新日 : 2019年8月10日 toshiakikasuya REGULAR 142『誕生日/古希祝い』 今日は冨士夫の誕生日である。 生きていれば70歳だから、 古希祝いという事になるのだ。 そもそも古希とは 長寿を祝う風習で、 中国から伝わってきているのだとか。 それは1,000年以上も前、 唐の時代が発祥の 風習だといういから、 そりゃあ、えらく古いもんなのだ。 色でいうなら『紫』。 還暦が赤なら >> Read more
2019年8月7日 / 最終更新日 : 2019年8月7日 toshiakikasuya REGULAR 141『クレイジーサマーナイト』 真夏の夜の動物園/ダイナマイツ ほんとうに暑い。 クソ暑くて死にそうである。 中央線の乗客もみんな、 へたりきった犬のような 表情をしているではないか。 なんちゃって、そう見えるのだ。 そう想いながら つり革に揺られていると、 夕暮れの高円寺駅に着いた。 南口を出て、 “この道はいつか来た道” なぁんて気分で、 かつてスタジオがあ >> Read more
2019年7月29日 / 最終更新日 : 2019年7月29日 toshiakikasuya REGULAR 140『テネシーワルツ』 ガンさん/ 村上元一氏・通夜 まるで夢でもみているかのように、 昔を思い出すことがある。 あの頃の僕は、 どこかふぬけていて、 焦点が定まらないまま 生きていた気がする。 公園の淵にある ベンチに腰掛けながら、 日が暮れかかった 池の景色を眺めていた。 ぼおっと水面に映る灯りが、 遠い光から揺れ始める。 すると忘れていた 何かが >> Read more