2019年6月16日 / 最終更新日 : 2019年6月16日 toshiakikasuya REGULAR 138『人生の不思議な糸』もうひとつの村八分5/村瀬シゲト ´73年5月の『村八分ライブ』の後、 8月の終わりをもってバンドは解散した。 メンバーそれぞれに ギャランティーが渡され、 冨士夫以外の全員は 嬉々として渡米したのであるが、 まあ、そこら辺の海外話は またそのうちに。 ………………………………………… 「『村八分』が終わってどうしようか?っていう時 >> Read more
2019年5月24日 / 最終更新日 : 2019年5月24日 toshiakikasuya REGULAR 137『三田祭』もうひとつの村八分4/村瀬シゲト “ガシャン!” というガラス瓶の割れる音と共に 投げ込まれた火炎瓶が爆発した。 どこのセクトかも解らぬ過激派が、 散発的な主張を続けていたのである。 間抜けなのは、 そこらの日常的な火炎瓶など “へ”とも思わない学生たちが、 燃え盛る炎に向かって いっせいに集まって来て 暖まっていることだった。 そ >> Read more
2019年5月9日 / 最終更新日 : 2019年5月9日 toshiakikasuya REGULAR 136『チャー坊とテッちゃん』もうひとつの村八分3/村瀬シゲト 『村八分』は、 “メンバーにスキルがあるとか、 何かのエキスパートだとか、 そういう何もかもを 要求しないバンドだった” という。 「その代わり、“オモロい奴だ” とかいうのが必要になってくるんや(笑)。それと、チャー坊が唯一シゲトくんだけには弱いバンドだったな」 そう言って、 よっちゃん(加藤義明 >> Read more
2019年4月21日 / 最終更新日 : 2019年4月21日 toshiakikasuya REGULAR 135『村八分にはいる』もうひとつの村八分2/村瀬シゲト 1970年の日本は高景気に沸いていた。 良い社会を創ろうと、 前向きにスクラムを組んだ 革命運動時代はあえなく頓挫し、 高度経済成長によって “みんなが中産階級なんだよ” というマヤカしに、 国民全体が流されて行く。 不条理な日米安保への抵抗も ついにかなわなかった。 学生運動の終焉からの 内ゲバを >> Read more
2019年2月28日 / 最終更新日 : 2019年2月28日 toshiakikasuya REGULAR 132『チャー坊/『夢うつつ』25年目の行く春・後編』 もと『村八分』のメンバーの方から、 メールをいただいた。 チャー坊の追悼イベントを 行なうのだという。 その彼に、 改めて当時のエピソードを 訊いてみたのだ。 遠い日の出来事は、 いつの時も遥か夢の向こうに あるみたいだ。 ぽつりぽつりと思い出す情景は、 果たしてほんとうの事だったのだろうか? 夢う >> Read more
2019年2月13日 / 最終更新日 : 2019年2月13日 toshiakikasuya REGULAR 131『チャー坊/25年目の行く春・前編』 冬の木漏れ日の中を、 よく冨士夫とドライブした。 たいていは病院通いが 目的だったのだが、 近くの温泉で一息つく つかの間のやすらぎもあったのだ。 秋川方面の山蔭の景色を流しながら、 冨士夫がする昔話を聞く。 内容は『京都時代』の話が 多かったように思う。 過ぎ去った時間の中で、 様々な想いが凝縮し >> Read more
2019年1月19日 / 最終更新日 : 2019年1月19日 toshiakikasuya REGULAR 130『新年の(遅い)ご挨拶』 真夜中、母親に起こされた。 「足が痛い」と言うのである。 おかしな話だ、 感覚のない左足のほうが痛いのだ。 母親は脳梗塞で左半身が麻痺している。 母親の介護を始めて、 もうすぐ10年近くになるのだが、 真夜中に飛び起きて思いやる、 この手のヘルプはつらい。 布団をめくり、母親の左足に 薬をつけながら >> Read more
2018年12月24日 / 最終更新日 : 2018年12月24日 toshiakikasuya REGULAR 129『青ちゃんの命日から高円寺を眺める』クリスマスイブ 話は、いきなり江戸時代に遡る。 当時の将軍、徳川の家光さんが、 鷹狩りをして遊んでいるところに 突然の雨が降り出した。 「此処で少し雨宿りしていこうか」 って、立ち寄ったのが 高円寺というお寺だったのだとか。 その寺がお気に召した家光さんは、 のちの鷹狩りの度に 高円寺を訪れるようになる。 すると、 >> Read more
2018年11月26日 / 最終更新日 : 2018年11月26日 toshiakikasuya REGULAR 127『大阪“BAMBOO”その2』“LIVE AT SUM” カキピーがこんなに 美味いとは思ったことはなかった。 小皿に盛ってあるのだが、 ウーロンハイでソレを流し込みながら、 やっとのことで 腹をもたせていたのである。 「冨士夫ちゃんは、いつも誰にも言わずにお忍びで来るねん」 追加のカキピーを袋から出しながら、 高濱(たかはま)さんが笑顔を寄せる。 「冨士 >> Read more
2018年11月15日 / 最終更新日 : 2018年11月15日 toshiakikasuya REGULAR 126『LIVE AT SUM』大阪“BAMBOO(バンブー)”その1 “こだま”は各駅停車である。 それなのに、 「ちょっと、駅に止まっている時間が長過ぎるんですよね」 と、しょーもないことを言う GoodlovinのKoくんと、 新大阪に向かっていた。 新幹線に乗るのは久し振りだ。 シートに座るなり、 大阪までの3時間もの間、 ずっと喋り通しだった かまやつさん(か >> Read more
2018年10月28日 / 最終更新日 : 2018年10月28日 toshiakikasuya 山口冨士夫とよもヤバ話 125『大阪に行く準備』 先日、goodlovin から配信がきた。 『山口冨士夫 LIVE AT SUM(2CD)12/12リリース ☆限定特典付☆』 というタイトルであるから、 goodlovin のKo発掘担当者が、 新たに発見した音源であるらしい。 (随分と深く掘り進んでいると思われる) 発掘資料によると、 【92年 >> Read more
2018年10月18日 / 最終更新日 : 2018年10月19日 toshiakikasuya 山口冨士夫とよもヤバ話 124『新大久保EARTHDOM 伊藤耕追悼企画 「KEEP ON ROCK&DANCE 耕もね!」』太陽のまばたき ブル-スビンボーズ 大久保通りはエキゾチックである。 韓流系の看板やネオンサインが立ち並び、 少し古い懐かしいタイプの街路灯が、 訪れる人びとの顔を 黄色っぽく照らしているのだ。 もともと靖国通りから北側は、 戦後、台湾人華僑が商いの種を植え、 独特なるアジア花を開かせた 一大歓楽街だといわれている。 四谷・牛込・淀橋 >> Read more
2018年8月14日 / 最終更新日 : 2018年8月14日 toshiakikasuya REGULAR 120『ロックな誕生日/69』 8月10日は冨士夫の誕生日だった。 あの突然のアクシデントがなければ、 69歳になる記念すべき年である。 あれだけロックに生きたんだから、 ガツ〜ンっと『69ロック』と、 イきたいところだっただろう。 そう想うと、実に残念だ。 冨士夫と出会った初めての夏、 「今日はオイラの誕生日なんだ」 と聞いて由 >> Read more
2018年7月11日 / 最終更新日 : 2018年7月11日 toshiakikasuya REGULAR 117 『京都』高木チカシの “働けもっとたんと” 京都市内を隅々まで散策し、 一冊の観光本を作ったことがある。 ひと月ほど京都の旅館を泊まり歩き、 イラストマップを作成したのだった。 クライアントは鉄道弘済出版。 僕はまだ学生だった。 卒業間際のアルバイトで、 イラストを描きたかった僕には うってつけの仕事だったのだ。 いま、チマタでは 『京都ぎら >> Read more
2018年7月1日 / 最終更新日 : 2018年7月1日 toshiakikasuya REGULAR 116 『ワールドカップ』 冨士夫はキーパーだったという。 杉並区立東原中学時代の話だ。 「1点だって入れさせたことがねぇんだ」 と、ぬる燗とっくり片手に豪語していた。 その言葉に何かを挟むつもりは みじんもないのだが、 サッカー部だったってことは なんだか疑わしい。 「あれっ? 野球でかっ飛ばしてばかりいて、校舎の窓ガラスを >> Read more
2018年6月20日 / 最終更新日 : 2018年6月20日 toshiakikasuya REGULAR 115 西麻布Bar『アムリタ』 デザイン会社で働いている頃は、 残業が当たり前だった。 北鎌倉に住んでいたので 23時を過ぎるとソワソワとする。 電車がなくなるのだ。 北鎌倉まではタクシー代も 半端じゃないので その選択肢はまずありえない。 思わず家族の姿を想い浮かべてみる。 嫁さんと2歳になる可愛い娘が、 台所で戯れている風景が >> Read more
2018年6月3日 / 最終更新日 : 2018年6月3日 toshiakikasuya REGULAR 114『大口広司さんの “カッコイイ“』 どこまで続いているのかわからない、 ながーいトンネルに入っているあの感じ。 景色も何も見えないような 漠然とした不安が続いていく。 すぐにでも出られると想っていたのだ。 今までがそうであったように、 今回もどこかで空気が 切り替わると信じていた気がする。 「よぉっ、ちょっと…」 ドラムセットに座って >> Read more
2018年5月17日 / 最終更新日 : 2018年5月17日 toshiakikasuya REGULAR 113『忌野清志郎(さん)の幻影』【FM大阪】忌野清志郎の夜をぶっ飛ばせ (ゲスト・山口冨士夫) part 1 of 2 東京の西のはて、 西多摩郡の日ノ出町へと行く。 秋川街道を折れ、 平井川の源流を左に眺めながら ドライブすれば、 そこはもう山里である。 東京であることを忘れるほど せまりくる緑を感じながら、 胸いっぱいに自然を吸い込む。 「おかげさまで、気を取り戻したよ」 竹林からの風を感じながら、 冨士夫が大き >> Read more
2018年4月12日 / 最終更新日 : 2018年4月12日 toshiakikasuya REGULAR 111『3年目の春』TEARDROPSうまダマ やっと、春らしくなってきた。 この時季になると僕は、 冨士夫ん家の庭を想い浮かべたりする。 風が行き交う日だまりの庭は、 想像するよりもずっとあったかいのだ。 庭先にある梅の木を眺めながら 競って伸びる草花の香りを嗅ぐ。 庭の南に面した縁側の前には 季節ごとの植物が植えられていていた。 それを愛でる >> Read more
2018年2月28日 / 最終更新日 : 2018年2月28日 toshiakikasuya REGULAR 108『HELLO,GOODBYE』BEATLES/HELLO,GOODBYE 中学生に成りたての秋、 初めて実際に動く BEATLESの映像を見た。 『HELLO,GOODBYE』のPVである。 思い返してみると、 この年頃は誰だって好奇心に溢れている。 見るもの聞くものすべてが 新鮮なことばかりなのだ。 特に海外の音楽シーンの映像などは、 滅多にお目にかかれないレアな代物だ >> Read more