2019年4月2日 / 最終更新日 : 2019年4月2日 toshiakikasuya REGULAR 133『桜/4年目の春』 春になった。 桜が咲き誇り、暖かい風が流れ、 肌寒い季節とはオサラバするのだ。 “プシュッ!”っと、 缶ビールの栓を開け、 ゴクゴクと喉の奥に流し込む。 とたんに思い出すのは、 まだ未来が見えていなかった とお〜い昔の北鎌倉の頃、 裏山から流れるように落ちて来る 桜吹雪の風景なのだ。 ヒラヒラと舞い >> Read more
2019年2月13日 / 最終更新日 : 2019年2月13日 toshiakikasuya REGULAR 131『チャー坊/25年目の行く春・前編』 冬の木漏れ日の中を、 よく冨士夫とドライブした。 たいていは病院通いが 目的だったのだが、 近くの温泉で一息つく つかの間のやすらぎもあったのだ。 秋川方面の山蔭の景色を流しながら、 冨士夫がする昔話を聞く。 内容は『京都時代』の話が 多かったように思う。 過ぎ去った時間の中で、 様々な想いが凝縮し >> Read more
2018年12月24日 / 最終更新日 : 2018年12月24日 toshiakikasuya REGULAR 129『青ちゃんの命日から高円寺を眺める』クリスマスイブ 話は、いきなり江戸時代に遡る。 当時の将軍、徳川の家光さんが、 鷹狩りをして遊んでいるところに 突然の雨が降り出した。 「此処で少し雨宿りしていこうか」 って、立ち寄ったのが 高円寺というお寺だったのだとか。 その寺がお気に召した家光さんは、 のちの鷹狩りの度に 高円寺を訪れるようになる。 すると、 >> Read more
2018年11月26日 / 最終更新日 : 2018年11月26日 toshiakikasuya REGULAR 127『大阪“BAMBOO”その2』“LIVE AT SUM” カキピーがこんなに 美味いとは思ったことはなかった。 小皿に盛ってあるのだが、 ウーロンハイでソレを流し込みながら、 やっとのことで 腹をもたせていたのである。 「冨士夫ちゃんは、いつも誰にも言わずにお忍びで来るねん」 追加のカキピーを袋から出しながら、 高濱(たかはま)さんが笑顔を寄せる。 「冨士 >> Read more
2018年11月15日 / 最終更新日 : 2018年11月15日 toshiakikasuya REGULAR 126『LIVE AT SUM』大阪“BAMBOO(バンブー)”その1 “こだま”は各駅停車である。 それなのに、 「ちょっと、駅に止まっている時間が長過ぎるんですよね」 と、しょーもないことを言う GoodlovinのKoくんと、 新大阪に向かっていた。 新幹線に乗るのは久し振りだ。 シートに座るなり、 大阪までの3時間もの間、 ずっと喋り通しだった かまやつさん(か >> Read more
2018年10月28日 / 最終更新日 : 2018年10月28日 toshiakikasuya 山口冨士夫とよもヤバ話 125『大阪に行く準備』 先日、goodlovin から配信がきた。 『山口冨士夫 LIVE AT SUM(2CD)12/12リリース ☆限定特典付☆』 というタイトルであるから、 goodlovin のKo発掘担当者が、 新たに発見した音源であるらしい。 (随分と深く掘り進んでいると思われる) 発掘資料によると、 【92年 >> Read more
2018年10月18日 / 最終更新日 : 2018年10月19日 toshiakikasuya 山口冨士夫とよもヤバ話 124『新大久保EARTHDOM 伊藤耕追悼企画 「KEEP ON ROCK&DANCE 耕もね!」』太陽のまばたき ブル-スビンボーズ 大久保通りはエキゾチックである。 韓流系の看板やネオンサインが立ち並び、 少し古い懐かしいタイプの街路灯が、 訪れる人びとの顔を 黄色っぽく照らしているのだ。 もともと靖国通りから北側は、 戦後、台湾人華僑が商いの種を植え、 独特なるアジア花を開かせた 一大歓楽街だといわれている。 四谷・牛込・淀橋 >> Read more
2018年9月21日 / 最終更新日 : 2018年9月21日 toshiakikasuya REGULAR 122『石神井公園』空と雲 / 四人囃子&スモーキー・メディスン 季節が変わろうとしている。 ザワザワとした公園の木々から 神社の参道に吹き下ろす風も、 なんだか冷たく感じられるのだ。 その木漏れ日の中を 子供たちが駆け抜けて行く風景。 姿が見えなくなっても、 はしゃぎ声の残響が 辺りに吹き溜まっているかのようだ。 その夕暮れ時の参道から、 城跡のある木立を 抜け >> Read more
2018年8月8日 / 最終更新日 : 2018年8月8日 toshiakikasuya REGULAR 119『酒の話/北鎌倉の家』 酒の飲み方にもいろいろとある。 元来、僕は下戸だった。 コップにビール半分で頭痛がした。 一杯飲むと必ず死んだように 寝てしまうのだった。 それが、仕事の付き合いで 水で割ったウィスキーなら、 多少は飲めることに気がついた。 それが、ちょうど我が家に 冨士夫が転がり込んできたころ、 一緒に近くの由比 >> Read more
2018年6月20日 / 最終更新日 : 2018年6月20日 toshiakikasuya REGULAR 115 西麻布Bar『アムリタ』 デザイン会社で働いている頃は、 残業が当たり前だった。 北鎌倉に住んでいたので 23時を過ぎるとソワソワとする。 電車がなくなるのだ。 北鎌倉まではタクシー代も 半端じゃないので その選択肢はまずありえない。 思わず家族の姿を想い浮かべてみる。 嫁さんと2歳になる可愛い娘が、 台所で戯れている風景が >> Read more
2018年2月15日 / 最終更新日 : 2018年2月15日 toshiakikasuya REGULAR 107『リセット/春』 1991年の初春、 初台にあった事務所をたたみ、 仕事場を自宅に移した。 練馬の農村住宅地である。 住民よりもキャベツのほうが目立っている。 コンビニよりも駄菓子屋のほうが、 存在感がある地域である。 それでも生まれ育った愛着がある。 僕は何年振りかで大きくのびをした。 「いやぁ、すっきりだべ〜」 >> Read more
2018年2月5日 / 最終更新日 : 2018年2月5日 toshiakikasuya REGULAR 106『マジカル・ミステリー・ツアー /ドロップアウト』 あっという間の2月。 この時間の流れの速さに、 すんごい驚いたのは僕だけだろうか。 コンビニのパーキングに車を停め、 皆既月食のうすら赤い光を眺める。 “あのときも、まん丸な月だったな” そのあわい月の光に なんだか懐かしい感情を想い起こしていた。 あれは、1991年の早春だったと想う。 清里のオー >> Read more
2017年12月23日 / 最終更新日 : 2017年12月23日 toshiakikasuya REGULAR 103『吉田くん/ザ・ダイナマイツ』Walking The Dog – The Dynamites 1968 10年ほど前になるだろうか? 冨士夫のライヴのために 器材を借りようとしているところに、 覚えのない人物から電話があった。 「もしもし、冨士夫がライヴやるんだって?」 「えっ!? はい、そうです」 って、答えるしかなかった。 知らない声だったからだ。 この前置きがまったくない 謎の声の持ち主は、 「 >> Read more
2017年11月24日 / 最終更新日 : 2017年11月24日 toshiakikasuya REGULAR 100『延原達治/ザ・プライベーツ■その1』 よもヤバ話も、 今回でめでたく100話目になる。 一昨年の春に始めたのだから、 想いを巡らす月日は2年半を越えた。 ふっと、気がつくと、 アッチ側がやけに騒がしい。 冨士夫、青ちゃん、佐瀬による TEARDROPS の宴の席で、 耕や良のFools族が、 音頭をとっているのだ。 年末になると僕らは >> Read more
2017年10月24日 / 最終更新日 : 2017年10月24日 toshiakikasuya REGULAR 097 『シーナ&ザ・ロケッツ/You May Dream』 とっても若い頃、 勤めていた会社が芝浦にあった。 芝浦って、今となっては、 なんだかシャレっぽい地域で、 高層マンションやらなんだかんだと ハイソなイメージさえあるのだけれど、 当時は、ただの倉庫街だったのだ。 田町駅の芝浦口を降りると、 殺風景な中に一本の直線道路が走っていた。 駅前通りって、 普 >> Read more
2017年9月19日 / 最終更新日 : 2017年9月23日 toshiakikasuya REGULAR 094『ビショップのリゾート』resort(山口冨士夫&加部正義) trailer ビショップは、ドラマーである。 冨士夫とはかつて、 2つのバンドで共に活動していた。 『ZOON』と『リゾート』だ。 残暑なのか何なのか、 さっぱりわからない9月の雨模様の夕暮れ。 小田急線『成城学園』の改札口で ビショップと会った。 初対面なのだ。 だから、本来は“ビショップさん”なのだが、 さん >> Read more
2017年9月8日 / 最終更新日 : 2017年9月8日 toshiakikasuya REGULAR 093『BO GAMBOS』BO GUMBOS with 山口冨士夫 / I’M A MAN 1990年9月8日金曜、 代々木公園の野外音楽堂で、 『BO GAMBOS』の フリーコンサートが催された。 そのステージに、前話『命の祭り』での冨士夫とは まるで別人になった山口冨士夫が登場する。 もっとも、この前日には 『TEARDROPS』のクラブチッタ公演があり、 緊張の糸がうまいこと繋がっ >> Read more
2017年8月28日 / 最終更新日 : 2017年8月28日 toshiakikasuya REGULAR 092『残暑/1990年大山・命の祭り』 なんだか、蒸し蒸しとモヤモヤして、 ちっとも気が晴れない。 そんな、真夏なのに梅雨のような気分でいたら、 持っていた全てのカードが裏返ってしまった。 「なんか、最悪な気分なんだけど」 冨士夫がいるときは、 そう電話すればよかった。 冨士夫は弱っている人間には、 めっぽう好意的なのだ。 「そんなときの >> Read more
2017年6月16日 / 最終更新日 : 2017年6月16日 toshiakikasuya REGULAR 086『不可思議な体験』Funny Day/The Ding-A-Lings 今回のよもヤバ話は少しひん曲がる。 不可思議な体験について話そうと思うのだ。 最初は小学校の低学年の時だったと思う。 自宅の居間で一人遊びをしている時に、 なんともいえない妙な気分に襲われた。 “ボァン”という頭の揺れとともに、 薄い耳鳴りのようなものがしてきたのだ。 「なんだべ?」 ザワザワという >> Read more
2017年6月4日 / 最終更新日 : 2017年6月4日 toshiakikasuya REGULAR 085『後楽園ホール』/瞬間移動できたら 6月に入った。 1年の半分が過ぎようとしている。 気候も良いし、風も爽やかなので、 なんか良い気分なのだ。 これで、何か面白い考えでも湧いてくればサイコーなのだが……。 そんな想いで庭を眺めると、 春の息吹きで草木が大きく伸びをしているのが解る。 もうすぐ梅雨になるのだ。 むせ返るような夏が来る前に >> Read more