2019年7月29日 / 最終更新日 : 2019年7月29日 toshiakikasuya REGULAR 140『テネシーワルツ』 ガンさん/ 村上元一氏・通夜 まるで夢でもみているかのように、 昔を思い出すことがある。 あの頃の僕は、 どこかふぬけていて、 焦点が定まらないまま 生きていた気がする。 公園の淵にある ベンチに腰掛けながら、 日が暮れかかった 池の景色を眺めていた。 ぼおっと水面に映る灯りが、 遠い光から揺れ始める。 すると忘れていた 何かが >> Read more
2019年6月16日 / 最終更新日 : 2019年6月16日 toshiakikasuya REGULAR 138『人生の不思議な糸』もうひとつの村八分5/村瀬シゲト ´73年5月の『村八分ライブ』の後、 8月の終わりをもってバンドは解散した。 メンバーそれぞれに ギャランティーが渡され、 冨士夫以外の全員は 嬉々として渡米したのであるが、 まあ、そこら辺の海外話は またそのうちに。 ………………………………………… 「『村八分』が終わってどうしようか?っていう時 >> Read more
2019年5月24日 / 最終更新日 : 2019年5月24日 toshiakikasuya REGULAR 137『三田祭』もうひとつの村八分4/村瀬シゲト “ガシャン!” というガラス瓶の割れる音と共に 投げ込まれた火炎瓶が爆発した。 どこのセクトかも解らぬ過激派が、 散発的な主張を続けていたのである。 間抜けなのは、 そこらの日常的な火炎瓶など “へ”とも思わない学生たちが、 燃え盛る炎に向かって いっせいに集まって来て 暖まっていることだった。 そ >> Read more
2019年5月9日 / 最終更新日 : 2019年5月9日 toshiakikasuya REGULAR 136『チャー坊とテッちゃん』もうひとつの村八分3/村瀬シゲト 『村八分』は、 “メンバーにスキルがあるとか、 何かのエキスパートだとか、 そういう何もかもを 要求しないバンドだった” という。 「その代わり、“オモロい奴だ” とかいうのが必要になってくるんや(笑)。それと、チャー坊が唯一シゲトくんだけには弱いバンドだったな」 そう言って、 よっちゃん(加藤義明 >> Read more
2019年4月21日 / 最終更新日 : 2019年4月21日 toshiakikasuya REGULAR 135『村八分にはいる』もうひとつの村八分2/村瀬シゲト 1970年の日本は高景気に沸いていた。 良い社会を創ろうと、 前向きにスクラムを組んだ 革命運動時代はあえなく頓挫し、 高度経済成長によって “みんなが中産階級なんだよ” というマヤカしに、 国民全体が流されて行く。 不条理な日米安保への抵抗も ついにかなわなかった。 学生運動の終焉からの 内ゲバを >> Read more
2019年4月10日 / 最終更新日 : 2019年4月10日 toshiakikasuya REGULAR 134『チャー坊と出会った日 』もうひとつの村八分1/村瀬シゲト 「サンフランシスコに 日本町ってのがあるんだけど、 ある日、そこのスーパーに行ったらさ、 シャーロックホームズが 着ているようなマントを着込んで、 尺八を持っている ヘンな奴がいるんだよ。 しかも裸足なんだ。 それだけで、すごいだろ!?(笑)。 そいつがコッチ向いて、 “ニター”って笑うわけだ。 そ >> Read more
2019年2月28日 / 最終更新日 : 2019年2月28日 toshiakikasuya REGULAR 132『チャー坊/『夢うつつ』25年目の行く春・後編』 もと『村八分』のメンバーの方から、 メールをいただいた。 チャー坊の追悼イベントを 行なうのだという。 その彼に、 改めて当時のエピソードを 訊いてみたのだ。 遠い日の出来事は、 いつの時も遥か夢の向こうに あるみたいだ。 ぽつりぽつりと思い出す情景は、 果たしてほんとうの事だったのだろうか? 夢う >> Read more
2019年1月19日 / 最終更新日 : 2019年1月19日 toshiakikasuya REGULAR 130『新年の(遅い)ご挨拶』 真夜中、母親に起こされた。 「足が痛い」と言うのである。 おかしな話だ、 感覚のない左足のほうが痛いのだ。 母親は脳梗塞で左半身が麻痺している。 母親の介護を始めて、 もうすぐ10年近くになるのだが、 真夜中に飛び起きて思いやる、 この手のヘルプはつらい。 布団をめくり、母親の左足に 薬をつけながら >> Read more
2018年12月24日 / 最終更新日 : 2018年12月24日 toshiakikasuya REGULAR 129『青ちゃんの命日から高円寺を眺める』クリスマスイブ 話は、いきなり江戸時代に遡る。 当時の将軍、徳川の家光さんが、 鷹狩りをして遊んでいるところに 突然の雨が降り出した。 「此処で少し雨宿りしていこうか」 って、立ち寄ったのが 高円寺というお寺だったのだとか。 その寺がお気に召した家光さんは、 のちの鷹狩りの度に 高円寺を訪れるようになる。 すると、 >> Read more
2018年11月26日 / 最終更新日 : 2018年11月26日 toshiakikasuya REGULAR 127『大阪“BAMBOO”その2』“LIVE AT SUM” カキピーがこんなに 美味いとは思ったことはなかった。 小皿に盛ってあるのだが、 ウーロンハイでソレを流し込みながら、 やっとのことで 腹をもたせていたのである。 「冨士夫ちゃんは、いつも誰にも言わずにお忍びで来るねん」 追加のカキピーを袋から出しながら、 高濱(たかはま)さんが笑顔を寄せる。 「冨士 >> Read more
2018年11月15日 / 最終更新日 : 2018年11月15日 toshiakikasuya REGULAR 126『LIVE AT SUM』大阪“BAMBOO(バンブー)”その1 “こだま”は各駅停車である。 それなのに、 「ちょっと、駅に止まっている時間が長過ぎるんですよね」 と、しょーもないことを言う GoodlovinのKoくんと、 新大阪に向かっていた。 新幹線に乗るのは久し振りだ。 シートに座るなり、 大阪までの3時間もの間、 ずっと喋り通しだった かまやつさん(か >> Read more
2018年10月28日 / 最終更新日 : 2018年10月28日 toshiakikasuya 山口冨士夫とよもヤバ話 125『大阪に行く準備』 先日、goodlovin から配信がきた。 『山口冨士夫 LIVE AT SUM(2CD)12/12リリース ☆限定特典付☆』 というタイトルであるから、 goodlovin のKo発掘担当者が、 新たに発見した音源であるらしい。 (随分と深く掘り進んでいると思われる) 発掘資料によると、 【92年 >> Read more
2018年10月18日 / 最終更新日 : 2018年10月19日 toshiakikasuya 山口冨士夫とよもヤバ話 124『新大久保EARTHDOM 伊藤耕追悼企画 「KEEP ON ROCK&DANCE 耕もね!」』太陽のまばたき ブル-スビンボーズ 大久保通りはエキゾチックである。 韓流系の看板やネオンサインが立ち並び、 少し古い懐かしいタイプの街路灯が、 訪れる人びとの顔を 黄色っぽく照らしているのだ。 もともと靖国通りから北側は、 戦後、台湾人華僑が商いの種を植え、 独特なるアジア花を開かせた 一大歓楽街だといわれている。 四谷・牛込・淀橋 >> Read more
2018年8月8日 / 最終更新日 : 2018年8月8日 toshiakikasuya REGULAR 119『酒の話/北鎌倉の家』 酒の飲み方にもいろいろとある。 元来、僕は下戸だった。 コップにビール半分で頭痛がした。 一杯飲むと必ず死んだように 寝てしまうのだった。 それが、仕事の付き合いで 水で割ったウィスキーなら、 多少は飲めることに気がついた。 それが、ちょうど我が家に 冨士夫が転がり込んできたころ、 一緒に近くの由比 >> Read more
2018年7月22日 / 最終更新日 : 2018年7月22日 toshiakikasuya REGULAR 118『暑い夏』FUJIO & CHIKOHIGE LIVE 1989 あつい、とにかく暑いのだ。 暑いのが大好きで、 “生き先”は南の島になるんだよ、 と独り言を言う癖があるのだが、 コレほど暑いと、それもどうかな? っと想ってしまう。 この暑さは、 初めて行ったマニラみたいだ。 痛いほどの日差しの中で とても長くは歩けない。 または、 クアラルンプールだろうか? あ >> Read more
2018年6月20日 / 最終更新日 : 2018年6月20日 toshiakikasuya REGULAR 115 西麻布Bar『アムリタ』 デザイン会社で働いている頃は、 残業が当たり前だった。 北鎌倉に住んでいたので 23時を過ぎるとソワソワとする。 電車がなくなるのだ。 北鎌倉まではタクシー代も 半端じゃないので その選択肢はまずありえない。 思わず家族の姿を想い浮かべてみる。 嫁さんと2歳になる可愛い娘が、 台所で戯れている風景が >> Read more
2018年5月17日 / 最終更新日 : 2018年5月17日 toshiakikasuya REGULAR 113『忌野清志郎(さん)の幻影』【FM大阪】忌野清志郎の夜をぶっ飛ばせ (ゲスト・山口冨士夫) part 1 of 2 東京の西のはて、 西多摩郡の日ノ出町へと行く。 秋川街道を折れ、 平井川の源流を左に眺めながら ドライブすれば、 そこはもう山里である。 東京であることを忘れるほど せまりくる緑を感じながら、 胸いっぱいに自然を吸い込む。 「おかげさまで、気を取り戻したよ」 竹林からの風を感じながら、 冨士夫が大き >> Read more
2018年2月15日 / 最終更新日 : 2018年2月15日 toshiakikasuya REGULAR 107『リセット/春』 1991年の初春、 初台にあった事務所をたたみ、 仕事場を自宅に移した。 練馬の農村住宅地である。 住民よりもキャベツのほうが目立っている。 コンビニよりも駄菓子屋のほうが、 存在感がある地域である。 それでも生まれ育った愛着がある。 僕は何年振りかで大きくのびをした。 「いやぁ、すっきりだべ〜」 >> Read more
2018年2月5日 / 最終更新日 : 2018年2月5日 toshiakikasuya REGULAR 106『マジカル・ミステリー・ツアー /ドロップアウト』 あっという間の2月。 この時間の流れの速さに、 すんごい驚いたのは僕だけだろうか。 コンビニのパーキングに車を停め、 皆既月食のうすら赤い光を眺める。 “あのときも、まん丸な月だったな” そのあわい月の光に なんだか懐かしい感情を想い起こしていた。 あれは、1991年の早春だったと想う。 清里のオー >> Read more
2018年1月8日 / 最終更新日 : 2018年1月8日 toshiakikasuya REGULAR 104『新年のご挨拶』 1991年の幕が上がった。 さっそく、新年の挨拶代わりの電話を 関係各方面にしようと思って 戸惑ったのを憶えている。 局番のアタマに3が付いたのだ。 東京23区だけなのだが、 今までの3ケタが4ケタになったのである。 「なんか面倒くせぇなぁ」 たったひとつの数字なのだが、 なかなか慣れなかった。 こ >> Read more