2019年9月9日 / 最終更新日 : 2019年9月9日 toshiakikasuya REGULAR 144『夏の終わりの音/中島らもさん』 蝉の鳴き声が鈴虫に変わると、 なんだか寂しい気持ちになる。 いつの間にか日暮れが早まって、 妙にしんみりとするのだ。 今年もまた夏が終わるんだな、 なんて思いながら 棚周りの片づけをしていたら 古いCDRが出てきた。 『 中島らも/山口冨士夫/石田長生/渋谷クラブ・クアトロLive』 とある。 20 >> Read more
2019年8月7日 / 最終更新日 : 2019年8月7日 toshiakikasuya REGULAR 141『クレイジーサマーナイト』 真夏の夜の動物園/ダイナマイツ ほんとうに暑い。 クソ暑くて死にそうである。 中央線の乗客もみんな、 へたりきった犬のような 表情をしているではないか。 なんちゃって、そう見えるのだ。 そう想いながら つり革に揺られていると、 夕暮れの高円寺駅に着いた。 南口を出て、 “この道はいつか来た道” なぁんて気分で、 かつてスタジオがあ >> Read more
2019年7月11日 / 最終更新日 : 2019年7月11日 toshiakikasuya REGULAR 139『山口冨士夫を偲ぶ6年目の夏』 夏が来る前には、 必ず梅雨のトンネルを通る。 見上げると、 雨に濡れた緑葉の傘が重なって、 まばゆいはずの夏の景色を おおい隠しているかのようだ。 そんな小雨降る公園脇の坂道を、 自転車でゆっくりと 下っているときだった。 いきなり曲のセットリストが ラインで飛んで来たのだ。 “お久しぶり、吉田です >> Read more
2019年5月24日 / 最終更新日 : 2019年5月24日 toshiakikasuya REGULAR 137『三田祭』もうひとつの村八分4/村瀬シゲト “ガシャン!” というガラス瓶の割れる音と共に 投げ込まれた火炎瓶が爆発した。 どこのセクトかも解らぬ過激派が、 散発的な主張を続けていたのである。 間抜けなのは、 そこらの日常的な火炎瓶など “へ”とも思わない学生たちが、 燃え盛る炎に向かって いっせいに集まって来て 暖まっていることだった。 そ >> Read more
2019年5月9日 / 最終更新日 : 2019年5月9日 toshiakikasuya REGULAR 136『チャー坊とテッちゃん』もうひとつの村八分3/村瀬シゲト 『村八分』は、 “メンバーにスキルがあるとか、 何かのエキスパートだとか、 そういう何もかもを 要求しないバンドだった” という。 「その代わり、“オモロい奴だ” とかいうのが必要になってくるんや(笑)。それと、チャー坊が唯一シゲトくんだけには弱いバンドだったな」 そう言って、 よっちゃん(加藤義明 >> Read more
2019年4月21日 / 最終更新日 : 2019年4月21日 toshiakikasuya REGULAR 135『村八分にはいる』もうひとつの村八分2/村瀬シゲト 1970年の日本は高景気に沸いていた。 良い社会を創ろうと、 前向きにスクラムを組んだ 革命運動時代はあえなく頓挫し、 高度経済成長によって “みんなが中産階級なんだよ” というマヤカしに、 国民全体が流されて行く。 不条理な日米安保への抵抗も ついにかなわなかった。 学生運動の終焉からの 内ゲバを >> Read more
2019年4月10日 / 最終更新日 : 2019年4月10日 toshiakikasuya REGULAR 134『チャー坊と出会った日 』もうひとつの村八分1/村瀬シゲト 「サンフランシスコに 日本町ってのがあるんだけど、 ある日、そこのスーパーに行ったらさ、 シャーロックホームズが 着ているようなマントを着込んで、 尺八を持っている ヘンな奴がいるんだよ。 しかも裸足なんだ。 それだけで、すごいだろ!?(笑)。 そいつがコッチ向いて、 “ニター”って笑うわけだ。 そ >> Read more
2019年2月28日 / 最終更新日 : 2019年2月28日 toshiakikasuya REGULAR 132『チャー坊/『夢うつつ』25年目の行く春・後編』 もと『村八分』のメンバーの方から、 メールをいただいた。 チャー坊の追悼イベントを 行なうのだという。 その彼に、 改めて当時のエピソードを 訊いてみたのだ。 遠い日の出来事は、 いつの時も遥か夢の向こうに あるみたいだ。 ぽつりぽつりと思い出す情景は、 果たしてほんとうの事だったのだろうか? 夢う >> Read more
2019年2月13日 / 最終更新日 : 2019年2月13日 toshiakikasuya REGULAR 131『チャー坊/25年目の行く春・前編』 冬の木漏れ日の中を、 よく冨士夫とドライブした。 たいていは病院通いが 目的だったのだが、 近くの温泉で一息つく つかの間のやすらぎもあったのだ。 秋川方面の山蔭の景色を流しながら、 冨士夫がする昔話を聞く。 内容は『京都時代』の話が 多かったように思う。 過ぎ去った時間の中で、 様々な想いが凝縮し >> Read more
2019年1月19日 / 最終更新日 : 2019年1月19日 toshiakikasuya REGULAR 130『新年の(遅い)ご挨拶』 真夜中、母親に起こされた。 「足が痛い」と言うのである。 おかしな話だ、 感覚のない左足のほうが痛いのだ。 母親は脳梗塞で左半身が麻痺している。 母親の介護を始めて、 もうすぐ10年近くになるのだが、 真夜中に飛び起きて思いやる、 この手のヘルプはつらい。 布団をめくり、母親の左足に 薬をつけながら >> Read more
2018年12月24日 / 最終更新日 : 2018年12月24日 toshiakikasuya REGULAR 129『青ちゃんの命日から高円寺を眺める』クリスマスイブ 話は、いきなり江戸時代に遡る。 当時の将軍、徳川の家光さんが、 鷹狩りをして遊んでいるところに 突然の雨が降り出した。 「此処で少し雨宿りしていこうか」 って、立ち寄ったのが 高円寺というお寺だったのだとか。 その寺がお気に召した家光さんは、 のちの鷹狩りの度に 高円寺を訪れるようになる。 すると、 >> Read more
2018年11月26日 / 最終更新日 : 2018年11月26日 toshiakikasuya REGULAR 127『大阪“BAMBOO”その2』“LIVE AT SUM” カキピーがこんなに 美味いとは思ったことはなかった。 小皿に盛ってあるのだが、 ウーロンハイでソレを流し込みながら、 やっとのことで 腹をもたせていたのである。 「冨士夫ちゃんは、いつも誰にも言わずにお忍びで来るねん」 追加のカキピーを袋から出しながら、 高濱(たかはま)さんが笑顔を寄せる。 「冨士 >> Read more
2018年10月28日 / 最終更新日 : 2018年10月28日 toshiakikasuya 山口冨士夫とよもヤバ話 125『大阪に行く準備』 先日、goodlovin から配信がきた。 『山口冨士夫 LIVE AT SUM(2CD)12/12リリース ☆限定特典付☆』 というタイトルであるから、 goodlovin のKo発掘担当者が、 新たに発見した音源であるらしい。 (随分と深く掘り進んでいると思われる) 発掘資料によると、 【92年 >> Read more
2018年10月18日 / 最終更新日 : 2018年10月19日 toshiakikasuya 山口冨士夫とよもヤバ話 124『新大久保EARTHDOM 伊藤耕追悼企画 「KEEP ON ROCK&DANCE 耕もね!」』太陽のまばたき ブル-スビンボーズ 大久保通りはエキゾチックである。 韓流系の看板やネオンサインが立ち並び、 少し古い懐かしいタイプの街路灯が、 訪れる人びとの顔を 黄色っぽく照らしているのだ。 もともと靖国通りから北側は、 戦後、台湾人華僑が商いの種を植え、 独特なるアジア花を開かせた 一大歓楽街だといわれている。 四谷・牛込・淀橋 >> Read more
2018年10月8日 / 最終更新日 : 2018年10月18日 toshiakikasuya REGULAR 123『フールズやあの時代を思い出して』 1986年の クロコダイル3daysは、 6月6(金)、8(日)、9(月)に行われた。 7(土)がないのは、 すでに他の誰かに ブッキングされていたからだ。 「ロックな6月の始めに、クロコで3daysをやりたいんですが?」 店長の西さんに連絡した時に、 「土曜はすでに決まっているよ」 と伝えられた憶 >> Read more
2018年9月21日 / 最終更新日 : 2018年9月21日 toshiakikasuya REGULAR 122『石神井公園』空と雲 / 四人囃子&スモーキー・メディスン 季節が変わろうとしている。 ザワザワとした公園の木々から 神社の参道に吹き下ろす風も、 なんだか冷たく感じられるのだ。 その木漏れ日の中を 子供たちが駆け抜けて行く風景。 姿が見えなくなっても、 はしゃぎ声の残響が 辺りに吹き溜まっているかのようだ。 その夕暮れ時の参道から、 城跡のある木立を 抜け >> Read more
2018年8月30日 / 最終更新日 : 2018年8月30日 toshiakikasuya REGULAR 121『夏休みのお終わり』 夏の朝は蝉の声で目を覚ます。 みんみんと裏の神社から、 うるさいくらいに聞こえてくるのだ。 そこに夏風が揺らす 木々の葉音が重なって いいかげん、寝てはいられなくなるのである。 「あっついな…」 と思ったら、 もう、昼近かった。 水を飲み、顔を洗うと、 洗面所にある洗濯機が目についたので、 そこらに >> Read more
2018年8月14日 / 最終更新日 : 2018年8月14日 toshiakikasuya REGULAR 120『ロックな誕生日/69』 8月10日は冨士夫の誕生日だった。 あの突然のアクシデントがなければ、 69歳になる記念すべき年である。 あれだけロックに生きたんだから、 ガツ〜ンっと『69ロック』と、 イきたいところだっただろう。 そう想うと、実に残念だ。 冨士夫と出会った初めての夏、 「今日はオイラの誕生日なんだ」 と聞いて由 >> Read more
2018年8月8日 / 最終更新日 : 2018年8月8日 toshiakikasuya REGULAR 119『酒の話/北鎌倉の家』 酒の飲み方にもいろいろとある。 元来、僕は下戸だった。 コップにビール半分で頭痛がした。 一杯飲むと必ず死んだように 寝てしまうのだった。 それが、仕事の付き合いで 水で割ったウィスキーなら、 多少は飲めることに気がついた。 それが、ちょうど我が家に 冨士夫が転がり込んできたころ、 一緒に近くの由比 >> Read more
2018年7月22日 / 最終更新日 : 2018年7月22日 toshiakikasuya REGULAR 118『暑い夏』FUJIO & CHIKOHIGE LIVE 1989 あつい、とにかく暑いのだ。 暑いのが大好きで、 “生き先”は南の島になるんだよ、 と独り言を言う癖があるのだが、 コレほど暑いと、それもどうかな? っと想ってしまう。 この暑さは、 初めて行ったマニラみたいだ。 痛いほどの日差しの中で とても長くは歩けない。 または、 クアラルンプールだろうか? あ >> Read more