俺達は、….ドラマー達は元気にしているよ

鼓曲萬来CYBER 神楽 2016
Yoshimi Tsuneda

2016-10-07 | INFO・REPORT2016

http://blog.goo.ne.jp/cohan2005/e/ef08ce5ec53a914420987fc7110de8a7

恒田義見さんのブログより

亡くなった山口富士夫の長年マネージャーをしていた方から

村八分の初期の話を聞きたいという事で

高円寺の喫茶店でインタビューを受けた

当然、僕が富士夫やチャー坊、青木君と演奏したのは約1年半

それも46年も前の話….それでもよかったら、という注文もつけた

何故なら、巷での村八分や富士夫、チャー坊の認識と

僕が知っている彼等とはもしかして大きな隔たりがあるかも知れないと思ったからで

村八分後のティアドロップス、或いは先日封切られた映画での富士夫のイメージとは

必ずしも一致してはいなかったし、その後の事は富士夫の周りの方の方が

私などよりもより詳しい筈であるから、富士夫やチャー坊そして青木君、哲がいない今

僕が村八分を語る等は…という思いもあったのだ。

で、一通り村八分にいた時の話が終わった後

心にずっと引っ掛かっていた事をその方に尋ねてみたのだ

それはどういう事かというと

それは46年前、僕が村八分を辞める正にその時に一度だけ顔を会わせた

一人の少年、当時僕が19、そして彼は17だったろうか

つまり僕の後に村八分のドラマーとなる上原ユカリと一度話をしてみたいという事…..

そいつはなんというか…..

信じられない話だが僕等は一度も話を交わした事がなかったのだ

それも46年もの間….

そして僕が辞めた後、ユカリも1年程で村八分を去った

従って、村八分の1stアルバムは我々二人がいた村八分ではない

勿論その後、彼はシュガーベイブや

沢田研二のエキゾチックスで演奏していたのは知っていたし

僕は僕でハルヲフォンで演奏していたので

どこかであの時代、すれ違っていたのかもしれないけれど

お互いにお互いをどう思っていたのかを知りたい気持ちもあったのだ

一つの事が終わって次に進もうとする時

やはり自分の心に区切りを付けなくてはとても新しい事には踏み込めない

その当時の自分は無理やり一段落付けたつもりではあったが

そうは言い聞かせていても、彼に対してミュージシャンとしてのライヴァル心も引きずったし

村八分にいたというそのキャリアは何事にも代え難いものも沢山貰ったけれど

その後に活動する自分にとって

決してプラスに作用する部分だけではなかったというのが本音でもある

彼は彼でどうそこを過ごして来たのかも直接聞いてみたいという気もあったのだ

で、数日後、上原ユカリはその場所に現れた

「お久しぶりです」…彼はそう言って手を伸ばして来て

俺達は握手して抱き合った

日に焼けた顔や眼鏡を掛けたその容貌は

あの時の色白で長い髪の大きな目をした17歳の彼ではなかったけれど

しかし不思議にも、村八分に対してどうだったかとか、どうして辞めたのかとか

もう、……そういう事ではなく……

確かに一瞬にして46年はスッと心の中で消化したような気持ちになったのだ

「野音で富士夫達と演奏した時やキャッツアイでも恒田さんの演奏を見ましたよ

勿論ハルヲフォンも」…彼はそう言ってくれた

僕も野音でユカリが演奏した時の村八分を見た話や

富士夫、チャー坊、青木君と過ごした日常のなにげない話も

フリーゲートやそこにいた人々の話だったり

自分の今やっている和太鼓の話、彼が歌を唄い作品がリリースされる話

瀬川さんとやっているバンドの話、

亡くなったダイナマイツの大木君や

石丸忍や東京へのヒッチハイクの状況

湘南に住んでサーフィンに凝ってる事

当時の日本のRockシーン、触れ合った色々なバンドやミュージシャンの話etc,etc

そしてなによりも、心に引っ掛かっていた事も

ゆかりは満面の笑みでこう言った

「色々あったけど、僕も恒田さんも村八分にいた事は事実ですからね」……..

そうだよね、色々な事があって、色々な処を通って

それでもう充分だった…….。

勿論彼の目から見た景色ではあろうけれど

それはあたかも自分の目で見た景色のようでもあったし

46年は今のこの一時、アッという間に時間は過ぎていったのだ

別れ際に連絡先を確認して

「これからですよね」…と

そうだよね、俺達はまだ現役なんだよね

本当にこれからなんだと思う

17歳と19歳だったんだ、初めて顔を会わせた時は。

この機会を与えてくれたマネージャーのKさん

リハ後に疲れているにもかかわらず足を運んでくれたユカリ、どうもありがとう

そして富士夫やチャー坊、青木君、

今度、僕の知っている村八分の話をしてくるよ…….。

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